Beauty

キレイの理屈 静脈の暗血色から発想した"くすみレッド"の口紅。『&Premium』No. 91 2021年7月号「&Beauty」より / June 07, 2021

UNMIX | Moisture Lipstick / Moisture Lip base
UNMIX | Moisture Lipstick / Moisture Lip base
ビューティークリエイター吉川康雄氏が「本当に作りたかった」という1色のリップスティックから物語が始まる〈UNMIX〉。左から、UNMIX モイスチャーリップスティック レッドローズ(グロウ01、ステイン02) 各¥3,960、UNMIX モイスチャーリップベース ¥3,630(UNMIX ☎03−5842−1840)

 ビューティークリエイター吉川康雄氏による新ブランド、〈UNMIX(アンミックス)〉がついに誕生。NYを拠点に活躍し続けるメイクアップアーティストでもある吉川氏は、世界のVIPやトップモデルのポートレート、有名誌のカバー、広告、コレクションなどに広く携わってきた。
 そんな吉川氏がまず最初に手がけたのは、すべての女性を美しく、魅力的に見せる「赤」のリップスティック「UNMIX モイスチャーリップスティック(レッドローズ)」だ。唇本来の色を生かす「グロウ01」と、透明感がありながらもマットな「ステイン02」。”静脈の暗血色”をインスピレーションにしたという、ニュアンスのあるくすみレッドの2本の口紅だ。
 一般的にコスメの分野では、土色や青みと呼ばれるくすみはマイナスなものとして、私たちはメイクで隠してきた。でも、自身の持ち味をメイクで生かすには、その”かげり”は色に多彩な表情をもたらす魅惑のスパイスになる、と吉川氏は語る。だからこそこだわったのが血の赤み。生命力を放つピュアレッドにかげりを加えることで、”インパーフェクトな赤”を完成させた。
 そして、テクスチャーについても先入観が見事に覆される驚きが。「モイスチャー」といいつつ、質感はかなり硬い。唇の上をつるつると滑りながら、乾きがちな唇にワックスがひっかかり、極薄の皮膜ヴェールで唇が保護される。さらに程よいトリートメント効果で唇の縦じわの質感も生かされる。「隠しすぎてない」「作りすぎてない」「マスクに付かない」上に、「自分の唇も悪くない」と自身をちょっぴり愛せてしまえることも、〈UNMIX〉だからこそのギフトと言えよう。
 さらにSPF24・PA+の紫外線カット効果も併せ持つリップベース「モイスチャーリップベース」も主役級のアイテム。こちらも独特の硬さが特徴で、唇を膜で覆い環境や乾燥から保護し、次に塗る口紅の発色も高めてくれるというもの。指触りが良くない唇も、するん。この5月から7月にかけて、毎月1日に1本ずつ新色を発表。「陰りピンク」「紅潮オレンジ」「影色バイオレット」と、3色とも絶妙なくすみと透け感を持ち合わせている。一過性のキレイではなく、自身の魅力に気付きたい、そんな人にお薦めしたい口紅だ。

文/永富千晴
ながとみ・ちはる/美容ジャーナリスト。〈club C.〉主宰。女性誌やウェブで、企画、編集、執筆に携わる。YouTubeチャンネル「永富千晴キレイの未来」も。

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