MUSIC 心地よい音楽を。

音楽家・蓮沼執太さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.3August 18, 2023

August.18 – August.24, 2023

Saturday Morning

Title.
Das alte Jahr vergangen ist, BWV 614
Artist.
Johann Sebastian Bach, Pierre Segond
土曜日の朝はバッハのオルガン・コラールを。スイスのオルガン奏者・ピエール・スゴンによる演奏。直線的に天井へと向かって伸びていくオルガンの音は、朝から気持ちを整えてくれるでしょう。短い小曲ですが、どこか新しい光が入ってくるような響きは、土曜日のスタートを気持ちよくさせてくれるはずです。
アルバム『Documents sonores à Saint-Pierre (Grandes orgues de la Cathédrale Saint-Pierre de Genève)』収録。

Sunday Night

Title.
遮られない休息−III.A Song Of Love
Artist.
武満徹、福間洸太朗
瀧口修造の詩「遮られない休息」に基づいて作られたとして知られる武満徹さんによる1959年作曲作品。こちらも短い小曲です。この詩への音楽というよりも、詩が持っている雰囲気や姿勢のために書かれたような音楽で、人間の思いを超えた「無」を感じます。消えていくことへの美しさが響きます。日曜日の夜に消えていくでしょう。
アルバム『武満徹:ピアノ作品集(福間洸太朗)』収録。



&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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音楽家 蓮沼執太

1983年、東京都生まれ。蓮沼執太フィルを組織して、国内外での音楽公演をはじめ、多数の音楽制作を行う。また「作曲」という手法を応用し物質的な表現を用いて、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどを制作する。主な個展に「Compositions」(Pioneer Works 、ニューヨーク/ 2018)、「~ ing」(資生堂ギャラリー、東京 / 2018)などがある。第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。 10月6日にニューアルバム『unpeople』をリリース予定。また、9月1日からPOST(恵比寿)にて同アルバムをテーマにした展覧会を開催予定。

shutahasunuma.com/ps

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