Interior 部屋を整えて、心地よく住まうために。

狭くても、自分らしく整える。ライフスタイルコーディネーター・山藤陽子さんの、今後の暮らしを明快にしてくれた部屋。January 23, 2024

狭くても、自分らしく整える。ライフスタイルコーディネーター・山藤陽子さんの、今後の暮らしを明快にしてくれた部屋。
首都高を一望できる、東京・代々木の山藤陽子さんの部屋。急遽の引っ越しだったため、猫が飼えるこのマンションに。ここも過不足ないが、新たな住まいも探し中。

狭い部屋に移ったことで持ち物を見直すように。

 山藤陽子さんが、長く住んでいた広めのヴィンテージマンションから引っ越して約1年。突然の立ち退きだったため、愛猫とともに、仮住まいのつもりで現在のワンルームに移り住んだ。その際、荷物もかなり処分をした。「実は引っ越しはとても悲しかったんです。マンションも気に入っていたし、荷物を手放すのもストレスだった。ただ、それがきっかけで、たくさんものがあると何かあって手放すとなったとき、嫌な気分になるというのがわかりました。どれも大切なものでしたが、持ちすぎると負担になってしまうんですね」

 結果、今はコンパクトな暮らしが気持ちいいと実感。ものもどんどん少なくしているという。

「洋服も10着あればいい。アウトドア用のメリノウールのインナーがあれば、冬でも上はコットンで大丈夫。衣替えが必要なくなります。身の回りが洗練されてくると、軽快に動くことができるんです」

食器棚の上に置かれたオブジェや香木の粉末。大量に処分したなかで残った厳選されたものたちだ。
食器棚の上に置かれたオブジェや香木の粉末。大量に処分したなかで残った厳選されたものたちだ。
キッチン。家電は白か黒で揃えている。手前にはレコードプレーヤーが。レコードもこの部屋に来てから聴くようになった。
キッチン。家電は白か黒で揃えている。手前にはレコードプレーヤーが。レコードもこの部屋に来てから聴くようになった。

 この部屋に移ってから新調したのは、山藤さんの仕事道具である精油を収納しているイギリス製キャビネットのみ。他はほとんど以前から使っていたものだ。10年以上愛用しているベッドはソファでもあり、お客が来たときに座ってもらったり、仕事場にするときもある。

「これから何か家具を買うとなったらヴィンテージで、自分が使わなくなっても次世代に引き継がれるものにしたいと思っています。きちんと残すだけの価値があるものを、大事に使う。そう思えるようになったのも、この部屋のおかげです」

 ベッド、キッチン、ダイニングが一つにまとまり、数歩で行き来ができる。以前とは異なる身軽な暮らしから、この先のライフスタイルのアイデアも生まれた。

「ここは自宅と事務所兼用で借りているのですが、いずれ、自宅とアトリエを分けたいと考えています。地方に期間限定でアトリエを借り、一年ごとに北海道だったり、高知だったりと場所を変えるのも面白いのでは、と思っているんです」

 移住でもなく、旅とも違う生活。そして、東京の自宅は、今よりもっと小さい部屋にしようと思っている。

食器はテクスチャーで選ぶ。安藤雅信や二階堂明弘、福村龍太、安齋賢太といった作家ものと、江戸後期の古伊万里。
食器はテクスチャーで選ぶ。安藤雅信や二階堂明弘、福村龍太、安齋賢太といった作家ものと、江戸後期の古伊万里。
バスルームはホテルのようなつくり。その便利さもこの部屋を気に入っている理由の一つでもある。
バスルームはホテルのようなつくり。その便利さもこの部屋を気に入っている理由の一つでもある。
遊牧民族カシュガイのトライバルラグが敷かれた寛ぎスペースには、折り畳める〈ラフマ〉のアウトドアチェアを置いて。
遊牧民族カシュガイのトライバルラグが敷かれた寛ぎスペースには、折り畳める〈ラフマ〉のアウトドアチェアを置いて。
カーテンを開けると空が見える。これまで住んだなかで最も小さい部屋で、ベッドもキッチンもリビングもワンルームに。
カーテンを開けると空が見える。これまで住んだなかで最も小さい部屋で、ベッドもキッチンもリビングもワンルームに。
狭くても、自分らしく整える。ライフスタイルコーディネーター・山藤陽子さんの、今後の暮らしを明快にしてくれた部屋。

山藤陽子ライフスタイルコーディネーター

「気持ちいいこと」をコンセプトとしたブランド〈YORK.〉主宰。2021年にパフュームブランド〈SCENT OF YORK.〉をデビュー。

photo : Ayumi Yamamoto illustration : Shinji Abe (karera) edit & text : Wakako Miyake

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