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Eyesあの人が見つけたモノ、コト、ヒト

民具デザイナー 是枝麻紗美


March 12, 2018 住むいえ 暮らす庭 香る植物 是枝麻紗美

2018.03.12

住むいえ 暮らす庭 香る植物

現在、島では一軒家の古い琉球家屋を借りて住んでいます。敷地は広く裏には畑があり、昔は馬や鳥、豚を飼っていたであろう納屋もあります。家の周りには行事や生活に必要な植物が植えられており、月桃は12月にムーチーというお餅を包んだり、日頃のお弁当にしたり。他にも歯痛や火傷に使うキダチアロエ、お正月に玄関に飾る福笹、火の神(ヒヌカン)に供えるチャーギやクロトンの木も。緋寒桜、テッポウユリや紫蘭(シラン)、アマリリスも順番に咲き始めます。私が借りる前は空き家だったのですが、もともと住んでいた大家さんのご両親の〝ていねいな暮らし〟がそこには息づいています。引っ越して来て1年半。元々の植物を大切にしつつ、ハーブを植えて私のエッセンスを加えた庭が出来上がってきました。

 
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赤く色づくとベリー系の味がする〝桑の実〟葉はベーコン巻きがおすすめ。

November 27, 2017 沖縄ソバのすゝめ 是枝麻紗美

2017.11.27

沖縄ソバのすゝめ

沖縄には、蕎麦粉が入っていないのにソバと呼ばれる食べ物がある。食堂には必ずメニューとして存在し、専門店も多くお昼にソバは定番。大阪の人にとってお好み焼きにご飯が、こちらでは沖縄そばにジューシー(炊き込みご飯)である。麺は、これまた地域によって様々。本島南部は中太縮れ麺、山原(やんばる)は太い平麺、八重山は細いつるんとした丸麺などなど。小麦粉100%の麺で、ラーメンとの違いは先に茹でておいて油をまぶしてある事。これは冷蔵庫のない時代の保存法でもありました。最近は生麺を注文が入って茹でるお店も人気を集めている。こちらはコシがある。好みのそばを見つける‘ソバ紀行’いかがでしょう?


 
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伊平屋島のモズクを練り込んだ麺を使った名護の幸ちゃんそば。マイベスト!

September 14, 2017 心 静かに祈る 是枝麻紗美

2017.09.14

心 静かに祈る

この島は昔からの祭事や行事がたくさん残っていて、今回伺った田名地区の「ウンジャミ」は海神祭で、豊漁 航海安全を祈る。我喜屋地区では豊作 豊年を祈願する「大綱引き」があり、その年に刈り取られた稲藁で早朝から大縄を綯う所から始まる。また豊年祭は5つの集落に分かれ琉球舞踊や棒術が披露される。
今年は雨が少なく、「明日は雨乞いがありますので集合してください」なんていう放送があったりして驚くが、これが日常なんだと気づく。昨今、軽薄になりがちな人間関係とは程遠く、皆で協力して先祖をうやまい無事に暮らせている事に感謝をする。きびしい自然を生き抜くための謙虚な祈り。それは日常の生活で忘れかけていることだったのかもしれない。

 
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神女(ハンズナー)の皆さんがアハシの海岸でナートゥンチビ(拝所)に向かって祈る姿

June 22, 2017 島のみんなはスーパーマン 是枝麻紗美

2017.06.22

島のみんなはスーパーマン。

人は何か一つのことを仕事にできれば上等(素晴らしい)と思っていたけれど、周りの人のマルチプレーヤーぶりにはいつも驚く。ある人は美容室をしながら隣でかき氷のパーラーを営業し、朝はスーパーにてんぷらを卸している。また魚屋のおばちゃんが作るサンドイッチは絶品でよく購入する。近所の漁師さんは機械に詳しく洗濯機を修理してもらった。アーサーの収穫業を営むおばさんはクバ笠やティール(竹の籠)作りの名人。おばぁたちも負けてはおらず80歳を過ぎてもなお無農薬野菜を作り給食センターに卸している。とにかく一人3役はこなせる人がザラ。“あるといいな”がある、まさにそんな島である。

 
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セルフビルドでコンテナをお家にして猫足のバスタブが置いてあるお家

April 24, 2017 人生の師匠はいつだっておばぁ 是枝麻紗美

2017.04.24

人生の師匠はいつだっておばぁ

私の住む我喜屋は80歳を過ぎたおばぁ達が庭の管理をし、静かにそしてイキイキと暮らしている。私が巨大化したナーベラでタワシを作ったらひゃっひゃっと笑い背中をポンポンと叩く。苺を植えたといえば目を丸くして驚く。おばぁの手はいつもフカフカで、綿の座布団のよう。そう、働いた人の手をしている。沖縄のおばぁ特有のものかな、と思い巡ってみると自分の祖母を思い出した。御歳96歳の鹿児島に住む祖母は、無農薬で野菜を育て味噌や梅干しを親戚分作っていた。ある時は石臼で蕎麦をひき、また歯が痛いと言えばアロエを詰められた。私の今の生活の片隅に、いつも祖母の姿が見え隠れしている。

 
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おばぁの教え。トマトは鳥に食べられる前に採りなさい。

民具デザイナー 是枝麻紗美

これえだ・まさみ/沖縄県の本島北部の離島、伊平屋島にて自生植物を使った民具アトリエ〈種水土花 syumidoka〉を主宰。今帰仁の『atelier café bar誠平』、名護の『bonmu』、南風原の『ゆいまーる沖縄』にて展示販売中。
https://m.facebook.com/syumidoka/