Water 南アルプス「水の山」通信
山梨・北杜より北杜市の“おいしい水”を全国に発信する。vol.3 / January 19, 2017
多様な文化を育んできた日本には、地域それぞれの素晴らしい文化や自然があるが、謙遜する人が多い。各地に取材に行くと「ここには何にもないよ」という声をよく聞く。だが、堀内玲さんは「北杜市にはおいしい水がある」と胸を張る。
その水の背後には、豊かな自然とそれを守ってきた人々の営みがある。北杜市の観光・商工課に所属する堀内さんはそれを知っているので謙遜はしない。
堀内さんが料理人である父の仕事の関係で12歳の頃に神奈川県から南アルプスに引っ越したとき、家の水を飲んで驚いた。「なんておいしいんだろう!」
当時は、環境が変わり大きく戸惑ったが、今は父の選択に感謝している。
“地元の人”でありながら、“外の人”の目を持つ堀内さんは、北杜市を含む南アルプスの環境を高く評価する。観光・商工課では、地元住民と共に水の素晴らしさを考え、伝えていこうと「水の山 フューチャーセッション」を年6回開催。
「北杜市は合併して広くなった町。まずはお互いの地区のことを知ることから始めています。いつか北杜市という地名を聞いただけで“おいしい水”と連想してもらえたらうれしい」と目標を話す。そのためにはなにが必要なのか。
「この町が環境を汚してしまったら、話にならない。水の出所はきれいな場所でないと」
恵まれた自然に慢心せず、環境を守り、情報を発信していく。次世代に渡す水を堀内さんは、大切に守り育んでいる。