&Taipei 台北の日用品探索
台湾の玄関のためのスツールを、日本がデザイン。&Taipei 台北の日用品探索 Vol.15November 03, 2024
台湾の玄関のためのスツールを、日本がデザイン。
台湾の民家や店舗の軒先には、よく「長凳(ヂャンデン)」と呼ばれる木製ベンチが置かれている。人が腰掛けたり、盆栽を置いたり、使われ方は実にさまざまだ。ただ雨が多い台湾で、手すりのない伝統的なベンチはやや危なっかしいのが難点だ。そこに着目したのが、日本の超高齢社会における経験を生かしてユニバーサルデザインの家具を手がける家具ブランド〈観察の樹〉。4年の企画期間を経て、玄関での靴の着脱や、立ち上がり動作を補助するスツール「Kino Stool」を商品化した。美しく人間工学に沿ったデザインは家具デザイナー藤森泰司によるもので、台湾で製造販売されている。木材は5色、ファブリックは台湾原住民の伝統的な織物や花布など全8種類がある。
近藤 弥生子台北在住ライター
台北在住の編集・ライター。カルチャー界隈からオードリー・タンまで、生活者目線で取材し続ける。著書に『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』(ブックマン社)、『オードリー・タン母の手記「成長戦争」自分、そして世界との和解』(KADOKAWA)がある。
photo & text : Yaeko Kondo