私が使い続ける愛しいものと、その理由。
〈エンダースキーマ〉デザイナー・柏崎 亮さんが愛用する、クリスティン・アルバーツのネックレス。October 14, 2024

体の一部のようなささやかな存在感。
アクセサリーはなんだか気恥ずかしくて、これに出合うまでまったく着けてきませんでした。年齢を重ね、ゴールドのネックレスなら持っていてもいいかもしれないと思い、6年ほど前に『ギャラリードゥポワソン』で購入。グラフィックデザインを手がけるデザイナーらしく、結び目が数か所施されただけの、留め具もないミニマルなつくり。普段、違和感があるとすぐ外したくなるのですが、これは何も感じないほど繊細で主張が少ないから、服装を選ばず入浴時も就寝時も着けっぱなし。肌身離さず着けているため、着替えの際にうっかり引きちぎってしまい、3回ほど修理に出しました。今ではすっかり体の一部のように。最近、レザーに真鍮のチェーンを施した靴を製作中なのですが、このネックレスがインスピレーションの源になっているのかもしれません。
柏崎 亮 Ryo Kashiwazakiシューズデザイナー
2010年にレザーブランド〈エンダースキーマ〉をスタート。独創的なアイデアとクラフトマンシップによる革靴や革小物を展開。
illustration : Megumi Sasaki text : Shoko Matsumoto