MUSIC FOR BETTER LIFE

モーニングコーヒー’25夏/MUSIC FOR BETTER LIFE #9 August 2025August 02, 2025

モーニングコーヒー'25夏/MUSIC FOR BETTER LIFE #9 August 2025

好みの新譜が多い夏でうれしいです。

僕は基本的にレコードやCDで新譜を追いかけているのですが、最近は配信限定リリースも増えましたね。好みの曲を見逃さないようにSpotifyに張っていると、つい昔の曲も検索してみたり、いろいろなプレイリストを漁ってみたりして、時間が溶けてしまいます。今回はサブスクでチェックしている直近の新譜の中から、モーニングコーヒーとともに聴きたい爽やかで落ち着いたナンバーをピックアップしました。朝食時にサクッと、40分のプレイリストです。

この夏、なかでも繰り返し聴いているのは、1曲目に選んだSamara Joyの「Flor de Lis」のカバー。Djavanが失われた愛を歌ったボッサとして知られる名曲ですが、Samaraの表情豊かな声と美しいジャズアレンジで、切なさが一層引き立っています。この一曲だけでもいいから本当に聴いてほしいです。涙が出るくらい美しい。

2曲目はaron!の「table for two」。若干21歳のSSWによるわずか2分弱の軽快なラテンジャズで、そのさらっとした感じが聴きやすい。台車にテーブルセッティングをして街を巡るPVもユニークでした。

3曲目、Hunny Daysの「Summer Dove」も軽快なボサノヴァテイストで聴きやすい一曲。Spotifyの月間リスナーが747人(7/28時点)でどんなアーティストなのか分からないのですが、男女3人組のバンドのデビューシングルのよう。語りかけるような優しいボーカルが素敵です。

4曲目はベルリンを拠点とする女性SSW、Kajsa Almaの「My Love Is He」。インディポップバンドSlow Borisのヴォーカルとしていくつかリリースを重ねていましたが、こちらもソロとしてのデビューシングル。スロウでジャジーな雰囲気が朝にぴったりですね。

5曲目はBig Crown Records主宰・Leon Michelsが率いるソウルバンドEl Michels Affairの新譜。ゲストヴォーカルはClairoです。昨年Leonがプロデュースを手掛けた彼女のアルバム「Charm」に収録されていてもおかしくないような心地よいサウンドをまた楽しめてうれしいです。

6曲目も同じくBig Crown Recordsから、インドネシア・スラバヤを拠点とする3人組バンドThee Marloesがニューリリース。思わず体を揺らしたくなるようなスウィートなソウルナンバーです。

7曲目は、先日フジロックで最高のパフォーマンスを見せてくれたVulfpeckのリーダー、Vulfmon(Jack Stratton)がおなじみのEvangelineを迎えたミニマルポップ。

9曲目には、個人的に大好きな韓国系アメリカ人女性アーティスト、Luna LiがHope Talaを迎えた「I Imagine」を。

10曲目はアルバムリリースを控えるLaufeyの先行配信「Lover Girl」。などなど、いい曲にたくさん出合えた夏でした。これを聴きつつ夏休みを楽しんで、来月は秋の気配漂うプレイリストを準備したいと思います。


Editor 松﨑 彬人

松﨑彬人
2017年に新卒で入社し、&Premium編集部一筋。レコード収集と陶芸家のスタジオ巡り、車の手入れ(1989年式VWジェッタ)が休日の楽しみ。熊本県出身、現在は妻子と鎌倉で暮らしながら、Instagram「#僕らの家ができるまで」で家造りの様子を記録しています。最新の担当号は2025年6月号「小さな家、小さな部屋」。

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