音楽喫茶の〝いい店〞案内。
木造の小屋全体に響く、体で感じる音楽。京都・二条城『二条小屋』:音楽喫茶の”いい店”案内。vol.15December 26, 2024
編集者の山村光春さんが考える、今こそ訪れたい"いい音楽喫茶"とは? 山村さんの考察とともに、15の喫茶店とその店を象徴する一枚を紹介。最後に登場するのは、京都・二条城『二条小屋』。
『二条小屋』
木造の小屋全体に響く、体で感じる音楽。
幼少の頃はトランペットを吹き、20代はジャズ喫茶に通い詰めたという西来昭洋さん。氏が営む、アナログレコードの音がとびきりいいと評判のコーヒースタンド。さもありなん、店内奥にある〈JBL〉だけでなく、古い木造家屋そのものがスピーカーの役目を果たすように、空間と心に深く響く。店でかけるアーティストのルーツや思いが音色から滲み出る、軽やかな曲と、ハンドドリップで淹れたコーヒーがともに沁みて。
『二条小屋』を象徴する一枚『My One And Only Thrill』 Melody Gardot
不慮の事故により視覚と聴覚に障害がある米国人女性シンガーが2009年に出したアルバム。「それでも歌いたいという思い。おしゃれな音楽のようで、何か違う」と、店主の西来さん。
SHOP DATA
二条小屋
京都市中京区最上町382−3 ☎090−6063−6219 11:00~18:00(金土〜20:00) 火休ほか不定休 店主がほぼひとりで改装した店内は、スタンディングのカウンターのみ。
photo,text : Mitsuharu Yamamura
編集者・コピーライター 山村 光春
雑誌『オリーブ』のライターを経て、広告や雑誌の編集・執筆を手がける。『眺めのいいカフェ』(アスペクト)、『おうちで作れる カフェのお菓子』(世界文化社)など著書多数。「やさしい編集室」「京都芸術大学」講師。東京と福岡の二拠点生活。