ひみつの坪庭コレクション
築130年の京町家に宿る、『キョウ アマハレ』のモダンな庭。ひみつの坪庭コレクション vol.18June 02, 2025
京都の店々に密やかに備わる坪庭は、この街に暮らす人々の美意識を象徴するような場所。京都に出かけたら見に行きたい、小さくも美しい庭を紹介します。
雨に映える、景色盆栽作家の作。
―KYO AMAHARE―

「雨の日も晴れの日も心からくつろげる暮らし」を掲げ、現代作家の工藝を扱う『キョウ アマハレ』。その舞台となる築130年の京町家の改装には、和紙作家ハタノワタル、木工ユニット〈Shimoo Design〉ら、縁の深い現代の工藝の担い手も加わっている。いかにも京都らしい鰻の寝床の母屋と、茶房となった蔵とを繋ぐ主庭も然り。景色盆栽作家の小林健二が監修を手がけた。
「ここは『赤井峰太郎商店』として、長らく商いと暮らしが営まれていた商家の町家。赤井家の暮らしぶりが想像できる庭であることを大切に、家にふさわしい格を保ちつつ、モダンさを感じる庭にとリクエストしました」と代表の金子憲一さん。
元から庭にあった石塔や、石の配列を生かすことで格式を保ちつつ、敷き詰めた白い石や苔のしつらえで軽やかさを加えた。新緑の緑、色づく紅葉、赤い花の咲く山茶花と、表情を変える姿はいつも優雅。とはいえもっとも庭が輝くのは、紫陽花が控えめに咲く6月だ。そこからは「雨の日を心地よく感じる庭」という主題が伝わってくる。


主庭に加え、玄関から見える坪庭、通り庭と3つの庭がある。
▷『キョウ アマハレ』
京都市中京区蛸薬師通柳馬場東入油屋町127
☎075−256−3280
11時~19時 水休
奥には茶房『居雨/KYO』。
▷『キョウ アマハレ』
京都市中京区蛸薬師通柳馬場東入油屋町127
☎075−256−3280
11時~19時 水休
奥には茶房『居雨/KYO』。
photo : Yoshiko Watanabe illustration : Junichi Koka edit & text : Mako Yamato