家で料理を楽しむ人たちの、お気に入りの一皿。
スタイリスト・竹内万貴さんが家で作る、こだわりのスンドゥブチゲ。家で料理を楽しむ人たちの、お気に入りの一皿。Tasty Homemade Recipes 01 / December 25, 2020

器も作り方も韓国ドラマ仕込み。匙一本で作る家庭のチゲ。
先のステイホーム期間に韓国ドラマにハマってしまったという竹内万貴さん。器のスタイリストという職業柄、目が留まるのは食事のシーン。なかでも飲食業界のドラマを描いた『梨泰院(イテウォン)クラス』で見たスンドゥブチゲを作る場面に心を掴まれた。「日本で鍋というと大きな土鍋を囲むイメージですが、ドラマの中では小さな鍋で1人分ずつ作っていたんです。しかも調理も食べるのも、スッカラ(韓国の大きな匙)一本。その様子がかっこよくて、すぐに1人用のチリ鍋を買いました」
以前韓国を旅したときに買ったステンレスのめし碗。長らくほったらかしだったが、それも活躍した。「アンティークの真鍮製スッカラは持っていたのですが、家庭料理には合わなくて。290円のステンレス製を買ったらしっくりきました」
使う食材にも本場のヒントがある。「スンドゥブチゲは豆腐が主役ですが、ドラマではフルフルの柔らかい豆腐を使っていたんです。それまで作るときは絹豆腐を使っていたのが寄せ豆腐を入れたらおいしくて!」
味はもちろん、韓国の食卓の情景まで浮かぶスンドゥブチゲ。竹内さんにとって「料理して食べる」とは、その土地の空気や文化を感じる、とても広がりのある行為なのだ。
1人用の土鍋やチリ鍋に煮干しだしを入れて火にかける。沸いたら味噌とコチュジャン(割合や量はお好みで調節)を溶かし入れ、ひと煮立ちさせる。熱々のところに寄せ豆腐(なければ絹豆腐)をスプーンで大きくすくい入れ、ぐつぐつとよく煮る。豆腐にしっかり火が入ったら砂抜きしたアサリを加え、蓋をする。アサリの口が開いたら火を止め、食べやすい大きさに切ったニラを加える。仕上げに胡麻油を回しかけて完成。好みで粉唐辛子をかけるとピリリと辛い大人の風味に。

竹内万貴スタイリスト
新聞社勤務を経て、ギャラリー『而今禾』にて現代作家および骨董の器の販売、仕入れ、企画に携わる。独立後は料理や器に関するスタイリングを行う。
photo : Kazumasa Harada edit & text : Yuriko Kobayashi





























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