Good for Me 編集部が出合ったベターライフ。
やっぱり、旅はいい! 編集者のスリランカ旅行日記。March 08, 2025

あっという間に、時は流れ。
去年の夏休み、スリランカで過ごしていた日々がもうずっと遠い過去のように感じます。前回はフルーツに魅せられた話を綴りましたが、今回はホテルでの滞在やお土産のことを。
ジェフェリー・バワの建築に触れたくて、スリランカを旅先に選んだこともあり、初日に滞在したのは、首都コロンボにあるデサラム・ハウスでした。バワと交流があったというスリランカの有名な音楽一家の住居で、バワが改装を手がけたことで知られています。私が滞在したころは、クリスマスやお祝いごとがあれば一家が集まって過ごすこともあったようで、宿泊できるのはそれ以外のタイミング、そして4部屋だけでした。


朝7時過ぎ、日本では耳馴染みのない鳥の声と大勢の子どもたちがキャッキャとはしゃぐ声で目が覚めて、「あぁ、そうだ、ここはスリランカだった!」と嬉しくなって、室内をゆっくり見渡す。目の前にある窓からは広々とした中庭が見えて、名前のわからない大きな木が立っていて、葉っぱの隙間から差し込んでいる光がきらきらと、美しい。そのまま布団にぼふんと倒れ込むと、高い天井とぐるぐる回るファンが見える。お気に入りのものに囲まれた家も大好きだけど、こういうとき、旅行っていいなと思うわけです。そして、特別な出来事は何も起こっていなくとも、案外旅の記憶に刻まれるのはこういう景色だったりしませんか。


植物と光への愛が詰まった空間。
朝ごはんはダイニングルームで他の宿泊者の方と一緒に、大きな木のテーブルで。ピリッとしたオムレツ、敷地内で採れたフルーツの盛り合わせなどが次々と運ばれてきて、姉と一緒においしい、おいしいと喜んでいると、スタッフの方がニコニコしながら、お代わりを持ってきてくれました。「本当に素晴らしい建物で、泊まれてとっても嬉しい」と伝えたら、「食べ終わったあと時間があるなら、よければツアーするよ」なんて言われて、泊まれなかった部屋まで、案内してもらえることに。
至るところに窓があり、外の光がさし込んでくること。植物を眺めるためだけの椅子があること。バワがどれほど植物と光を愛していたか、ひしひしと伝わってきました。「Tiny Garden」とスタッフの方は言っていましたが、小さな庭のようなものたくさんがあって、日本の坪庭みたいで面白かった。
目に映るすべてのものが美しくて、誰かの家に泊めてもらったような、そんなアットホームな空間でした。私の言葉と写真では、その様子は到底伝えきれないので、気になる方はぜひ、実際に訪れていただきたいです。


お土産には〈ベアフット〉のファブリックを。
デサラム・ハウスで泊まった部屋の壁一面にかけられていたタペストリーがとても可愛くて、ホテルの方にどこのものか聞いてみると〈ベアフット〉というファブリックブランドだよ、とのこと。ブランドの創業者の女性、バーバラ・サンソニは、バワと親交が深かったそうで、朝食のランチョンマットなど、デサラム・ハウスでは〈ベアフット〉のアイテムがたくさん置かれていました。
コロンボ市内にギャラリー、ショップがあるということで足を運んでみることに。店先では、おそらくベテランスタッフだと思われる女性が足踏み式のミシンで、ひとつひとつのアイテムを丁寧に仕上げている様子が見られました。のちのちブランドについて調べたら、製品はすべてスリランカの女性たちが手掛けているそう。鮮やかな色づかいが本当に素敵で、お土産にと買ってきたものたちは、今日も私の自宅で大活躍しています。


旅の思い出スナップ。
他にも、鉄道に乗って紅茶畑を駆け抜けたり、涼やかな高原地帯のホテルで茶摘み体験をしたり、ゴールという海が近い街にも滞在したり、充実の旅でした。その一コマを写真に収めているので、最後にスナップをお届けします。
&Premiumの本誌でも特集することが多い「旅」。日常からほんの少し離れて、いつもと違う空気を吸うことが、毎日を生きる活力になったりするものです。さしこむ光も、街の色も、話す言葉も違うところで過ごす時間が、私にはつくづく必要だなと思いました。次はいっそ北欧にでも行ってみようか、と今年の夏休みの行き先を妄想中です。

編集 HEditor
『&Premium』に在籍して5年ほど。服も小物もとにかく異国情緒なものが好きで、自宅のインテリアはアジアンテイスト。台北に住んでいたことがあります。中国語をここ1年ほど、勉強し直しています。旅行が好き。