Good for Me. 編集部が出合ったベターライフ。
「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」展で見つけた、ベターライフのヒント。October 30, 2024
編集部員が見つけた「ベターライフ=より良き日々」に役立つモノやコトを紹介する連載が始まりました。ファッションや日用品、おいしいおやつ、旅先で見つけたもの…など、リレー形式でお届けしていきます。
生涯にわたって“家具職人”を自称した、テレンス・コンランの頭の中。
展覧会を見に、美術館へ出かけるのが好きです。あの空間はいつも訪れる人に開かれていて、建築やアートを専門に学んだことのない自分にも、等しく感動を与えてくれる気がするからです。休日に、旅先で、たまには仕事の合間にこっそりと。せっかくなので新たに始まるこの連載で、誰かにおすすめしたい展示について紹介していきます。
というわけで先日訪れたのは東京ステーションギャラリーで開催中の「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」。言わずと知れた〈ザ・コンランショップ〉の創業者の人物像に迫る日本で初めての展覧会です。個人的にテレンス・コンランに抱いていたのは、〈ザ・コンランショップ〉のほかにレストランなどを数多く手掛けた、どちらかというとビジネスマン的な側面の印象が強く、今回展示される“デザイナーとしてのコンラン像”を楽しみに会場を訪れました。
戦後間もなくテキスタイルや食器のパターンのデザイナーとしてキャリアをスタートさせた初期プロダクトに始まり、家具デザインのための模型や〈ザ・コンランショップ〉の前身となるブランド〈ハビタ〉について、レストランのアイテムや、ものづくりのソースとなった愛用品まで、300点以上の作品や資料が並ぶ本展。彼の足跡を8つのセクションに分けて紹介する中でも、第1章の「デザイナー、コンランのはじまり」のセクションは、これまで日本ではあまり語られてこなかった作り手としてのコンラン像を浮かび上がらせる、見応えたっぷりの内容です。カラフルな色使いが印象的なテキスタイルや食器、いち早く素材に鉄や木、籐を取り入れた家具作り。テイストメイカーであったコンランのことを初めて知った気がします。生涯に渡って家具職人を自称していたというのも納得の、ものづくりに対する姿勢に触れられる展示です。
「Plain,Simple,Useful(無駄なくシンプルで機能的)」なデザインが生活の質を向上させることを信じていたコンランは、「デザインが暮らしを豊かにすること、いつでもこれが私にとって一番大事なことだった」という言葉も残しています。ものづくりを基本として、生活空間や都市、社会まで見つめた彼の眼差しには、現代のベターライフにも役立つたくさんのヒントが詰まっていました。
「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」で手に入れたもの。
展覧会へ足を運んだから、ミュージアムショップを覗くのも楽しみのひとつ。家でも図録を開けば会場での感動が蘇ってきたり、憧れの作品を我が家に持ち帰ることができたり。気づけば家にはトートバッグばかり…ではありますが、「ここでしか出合えない」と思うとついつい手が伸びてしまうのです。
今回手に入れたのはこちら。無駄なくシンプルで機能的なこれらのグッズが、僕の生活の質も向上させてくれそうです。
Event Informationテレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする
会場 : 東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)
会期 : 2024年10月12日(土) – 2025年1月5日(日)
開館時間 : 10:00 – 18:00(金曜日10:00- 20:00)*入館は閉館30分前まで
休館日 : 月曜日(10/14, 11/4, 12/23は開館)、10/15, 11/5, 12/29 - 1/1
展示構成 : SKWAT、加瀬透
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