&EYES あの人が見つけたモノ、コト、ヒト。
アムステルダムで、初のワークショップ。写真と文:壱岐ゆかり (フローリスト) #3July 15, 2025
「息子の暮らし落ち着いてから、いつかでいいから、携わってきた花で何かができたら」と思っていたら、アムステルダムに来て1ヶ月経った5月4日、アムステルダムのヤングチームの温かい尽力によって、ワークショップ開催が実現。
アムステルダムの”今”を知り尽くし楽しんでいる若者たちRen、Elin、Willem、Keltが案内してくれたのは、とんでもなく広い倉庫のようなレンタルスペース『PRE RESERVED』。

あまりに広すぎる空間に、少し怯んでいた私に向かって、若者たちから言霊シャワー。
「I think you can do it」
「I mean, you should do it」
「Why not?」
……もうやるっきゃない!
とはいえ、引っ越してきたばかり。
花はどこで仕入れる? 交通手段は? 価格設定は?
まずは歩いて、動いて、花屋を探してみる。会ってみる、話してみる、見てみる。

花に対する概念の、現代バージョンとは? なんだろ? を考えるスイッチを入れてくれるお店。
なにがリアルで、なにがフェイクで、
なにが近くて、なにが遠くて、
今世と、あの世のこと、
なにがサスティナブルでなにが循環なのか、
今なのか、さっきなのか、これからのことなのか、
あれこれ考えさせてくれてます。
考えすぎかもだけど。笑
そのくらい、何事も表と裏があって、白と黒があってどっちもというか、その表から裏にいく“過程”や、白から黒になっていくグレーの“グラデーション”が味わい深いなあと。
まだまだ出会いきれていないけれど、「この人に会いたい!」と思わせてくれる花屋さんもちらほら。顔見知りも少しずつできてきた。
花を選びに行くたび、なんだかエネルギーをもらえる。「私も、そんなふうに、誰かにエネルギーを届けられるフローリストになりたい」って、改めて思わせてくれる。
この町の人たちはまだ、花のある暮らしをあきらめていない。「高いから」「もったいないから」と手放してしまうのではなく、花は「必要不可欠なもの」として、ちゃんとそこにある。
一方で、切り花に対する価値観には変化もあるようで。造花の需要は爆上がりしているし、切り花も量販店で手軽に買えるようになった。「サステナブルじゃないから」という理由で、切り花との暮らしを少しずつ手放す人も増えているのかもしれない。
でも、その“価値観”ってなんだろう? 造花って?
答えはまだ出ていないけれど、日々インプットしながら、アウトプットしていくつもりです。
フローリスト 壱岐 ゆかり
