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『パーラーキムラヤ』、『JUHA』、『ミロンガ ヌォーバ』etc。東京の喫茶店巡り。 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #4April 23, 2025

「喫茶店」という場所が好きです。

基本的にコーヒーと音楽のある場所という認識がありますので、最初は音楽を聴くために足を運んだ覚えがあります。ただ、いろんな喫茶店を巡りながら、「もしかして、これは日本だけで経験できるものなのかも」と思いました。

コーヒーやフロートやクリームソーダがあって、トーストやナポリタンがあって、たまにパフェにも出合える空間。

東京の喫茶店巡り。 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #4 /『パーラーキムラヤ』
東京・新橋の『パーラーキムラヤ』
東京の喫茶店巡り。 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #4 /『JUHA』
東京・西荻窪の『JUHA』
東京の喫茶店巡り。 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #4 /『ミロンガ ヌォーバ』
東京・神保町の『ミロンガ ヌォーバ』

タバコを吸いながら新聞を読んでいるおじさんもいれば、文庫本を読みながら音楽に耳を傾けてる若い女性もいる。ジャズをかけているお店があれば、タンゴをかけているお店も、クラシックをかけているお店もある。レコードと向き合ってじっとして音楽を聴くところもあれば、音楽がただのBGMとして機能しているところもある。

たまにはカラオケのあるところも。会話禁止のところもあれば、わいわいするところもある。大きい氷をアイスピックで割ってるところがあれば、細かい氷がいっぱい入っているところもある。でもだいたいは白くて細いストローが付いてる。他の場所に比べてケータイをいじっているお客さんが少ない。

あ、そうだ。そもそもナポリタンの名前の由来って何だろうか? スパゲッティとかパスタとはどう違うのか? コーヒーゼリーやクリームソーダの発想は、トーストに餡を乗せたのはあんぱんと同じ考え方だったのか? などなど。

東京の喫茶店巡り。 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #4 /『パーラーキムラヤ』
東京・新橋の『パーラーキムラヤ』
東京の喫茶店巡り。 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #4/『JUHA』
東京・西荻窪の『JUHA』
東京の喫茶店巡り。 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #4 /『ミロンガ ヌォーバ』
東京・神保町の『ミロンガ ヌォーバ』

というのが、喫茶店の空間を眺めながら考えていることです。

ひとことで定義できない場所ですね。ですので、今でも外国人の私にはクエスチョンマーク(?)がたくさん付いてくる、魅力あふれる場所です。

東京の喫茶店巡り。 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #4 /『ロンパーチッチ』
東京・中野の『ロンパーチッチ』
東京の喫茶店巡り。 写真と文:キム・ジノン (東京茶飯事コンテンツディレクター) #4 /『珈琲ショパン』
東京・神田の『珈琲ショパン』

edit : Sayuri Otobe


東京茶飯事(TOKYO DABANSA) コンテンツディレクター キム・ジノン

1979年韓国・ソウル生まれ。東京の町、人、文化を独特な感覚で韓国人に紹介するユニット「東京茶飯事」のコンテンツ担当。ソウルと東京の架け橋のような感覚で様々なプロジェクトを行っている。東京とソウルのカルチャーを紹介する記事を両国の雑誌へ寄稿、東京の文化やライフスタイルのインフルエンサーを招いてイベントの開催、その他の執筆、翻訳、選曲活動を行う。著書に『東京のライフスタイルの企画者たち』(韓国、Comm In社)、『Tokyo Diggin’』(韓国、NOVVAVE社) 、『STREET TOKYO - 東京散歩ノート』(韓国、design eum社)などがある。

instagram.com/tokyodabansa

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