&EYES あの人が見つけたモノ、コト、ヒト。
実は鍋の主役? 柑橘ぽん酢とゆず薬味の2つのレシピ。写真文:原田アンナベル聖子 (『KOMB』シェフ&オーナー) #3January 19, 2026
九州出身の私は、実家では水炊きを食べることが多かった。
シンプルな昆布だしに、ぶつ切りにした骨付きの鶏肉とたっぷりの野菜。鍋そのものには、ほとんど味をつけない。
だからこそ、食べるときは自由だ。ぽん酢やごまだれ、ゆずこしょう……。その日の気分で、少しずつ組み合わせを変え、味に緩急をつけながら楽しむ。この"鍋に合わせる薬味の感覚と設計”は、今もずっと『KOMB』で大切にしていること。
鍋は、おいしい出汁が重なる汁物である一方、どうしても塩味を中心にした味覚が単調になりやすい。
そこで効いてくるのが、爽やかな柑橘と個性ある薬味の存在。

柑橘は、ミカン科ミカン属を中心とする果物の総称で、ご当地のものがいくつもある。私の地元・九州もそう。親戚の庭で採れた柚子、隣のおばちゃんから分けてもらっただいだい、きりっと爽やかな、かぼす。
この冬に出合った生の柑橘をぎゅうっと醤油に搾る。鍋の具材を箸で掴み上げ、柑橘醤油にたっぷりつけ、ガバっと頬張る。醤油の底味に支えられて、鼻腔を抜けるフレッシュな酸味が、なんとも清々しい。心身まで気持ちいい、うっとりする体験なのだ。
薬味ひとつで、鍋の景色が変わる。
今回は、ご家庭でも作れる、簡単な柑橘ぽん酢と、ゆず薬味の2つのレシピを紹介したい。

普段は脇役と思われている薬味だが、少し大切に、自分で作ってみよう。いつもの鍋が、特別なひと鍋となること間違いなし。
recipe
手作りぽん酢と、簡単ゆずの薬味
材料(3人前)
手作りぽん酢
・(柑橘)だいだいor夏みかん…2個
・おいしい濃口醤油…適量
簡単ゆずの薬味
・黄ゆず…1個
・天然塩…適量
・七味…お好み
〈作り方〉
手作りぽん酢
1.柑橘を、絞りやすいように4等分にカットする。少し甘みのある柑橘が好ましい。だいだいか夏みかんがおすすめ。もし手に入らない場合は、すだちや、かぼすでも代用可能。
2.醤油に、柑橘をぎゅっと絞って、完成。思ったより果汁を絞るのがポイント。醤油は、濃口しょうゆがおすすめ。フレッシュな醤油であること(封を開けて時間が経ち、酸化した醤油ではないこと)が重要。
3.味見して、酸味と甘みが足りない場合は、米酢または砂糖を少し入れる。
簡単ゆずの薬味
1.ゆずの皮をむき、できるだけ細かく千切りに刻む。果汁も絞っておく。
2.ボウルに、刻んだゆずの皮、天然塩、七味を入れて、混ぜ合わせる。そこに、ゆずの果汁を少し入れて、全体がしっとりとまとまるように粘度を調整しながら、混ぜる。
3.1日ほど冷蔵庫で置いて、味と香りを馴染ませて、完成。
*多めに作って冷凍保存しても、フレッシュ感が保たれておいしい。いろいろな料理の薬味として活躍します。
和食レストラン兼アトリエ『KOMB』 シェフ&オーナー 原田アンナベル聖子

→ komb.jp











































