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台湾茶の種類に合わせて食べたい、おいしい3つの茶菓子。写真と文:リン・ピンチュン (台湾茶/台湾料理研究家) #4November 25, 2025
おいしい台湾茶を買って帰ったら、一緒に楽しみたいのが「茶菓子」。
台湾の定番の茶菓子といえば、パイナップルケーキ。台湾を訪れたことのある人なら、一度は手に取ったことがあるでしょう。
ですが、このほかにも、香り高い台湾茶と相性抜群の伝統菓子がたくさんあります。さらに、「台湾茶」といっても、種類はさまざまなので、まずは自分好みのお茶を選び、その味わいに合わせたお菓子を探してみましょう。
台湾茶は大きく分けて、清香(チンシャン)タイプの烏龍茶、熟香(ソーシャン)または濃香(ノンシャン)タイプの烏龍茶、そして紅茶の3つのカテゴリに分類されます。今回は、この3種に合う茶菓子を紹介します。
清香タイプの烏龍茶には、緑豆椪椪(リュウトウポン)を。
清香タイプの烏龍茶は、華やかな香りと、夏の風を思わせるような清涼感が際立ち、緑茶に似たすっきりとした味わいです。そのため、合わせるお菓子はあまり味の濃くないものを選ぶと、繊細な花の香りがいっそう引き立ちます。
この烏龍茶に合わせたのは、緑豆椪(リュウトウポン)。緑豆餡を包んだパイ饅頭で、繊細な生地の層がほどけるように口の中で広がります。控えめな甘さと豆の香ばしさが、高山茶の澄んだ香りをより引き立ててくれます。
熟香タイプの烏龍茶には、蛋黃酥(ダンファンスー)を。

熟香タイプの烏龍茶は、発酵、焙煎ともに深く、ナッツやドライフルーツの風味が特徴の熟香タイプの烏龍茶。鉄観音茶や、最近人気が高まっている紅烏龍茶などがその仲間です。温かみのある香りと濃厚なコクは、寒くなってきた今の季節にぴったりです。
このタイプのお茶には、蛋黃酥(ダンファンスー)がおすすめ。パイ生地の中に小豆餡と塩漬け卵黄が入った、甘じょっぱい伝統菓子です。塩卵の黄身は、「夜空に浮かぶ月」をイメージしていて、中秋節に人気のある月餅としても知られています。その時季は、並ばなければ買えないほどの人気ぶり。
台湾紅茶には、芋頭酥を。

#1でも紹介したように、台湾紅茶は、花や果実の香りをまとったさまざまな風味があります。一口飲めば、花蜜のような甘い香りに包まれ、森の中で深呼吸しているような心地に。
そんな台湾紅茶に合わせる茶菓子は、芋頭酥(ユートースゥー)がおすすめ。タロイモ餡を紫色のパイ生地で包んだ伝統菓子で、特に餡の中にやわらかい餅が入っているタイプは、もちもちとした食感が癖になり、台湾でも大人気です。
これらの茶菓子を探すなら、台中にある老舗店 『裕珍馨(ユウジェンシン)』へ。市内はもちろん、台北の松山空港や台湾桃園国際空港にも店舗があり、旅の途中でも立ち寄りやすい便利さが魅力です。
緑豆椪や餅入りの芋頭酥は、素材の香りと食感のバランスが絶妙で、お店の看板商品でもあります。台湾茶との相性を、ぜひ現地で確かめてみてください。
台湾茶/台湾料理研究家 リン・ピンチュン

































