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銀杏の木に「ひっかかってしまって」いた、白いドクロの行方。写真と文:浅見旬 (編集者、ライター) #3March 18, 2026
『光灯』という名のギャラリーは、東京・神田金物通りに面したビルの3階にある。この場所で、自分が営む古物店『Goods』が企画展をひらいたのは2024年の年末のこと。
「ホームシック」と題し、これまで各地で集めてきた古物と、4名の美術作家による作品を並べ、販売した。展示のタイトルは、『Goods』のアイテムはどれも引き取り手がいなかったものであることや、この年の暮れは忙しく実家に帰れなかったことに由来する。それに、敬愛するECDの3枚目のアルバム『Homesick』(1995年)から引いたというのもある。作家たちはそうした前提を踏まえ、それぞれ新作をつくってくれた。
年末の神田金物通りの街路樹は黄色く色づき、ギャラリーの窓から手に届きそうな距離にあった。和田竣成(しゅんせい)さんの作品は当初、銀杏の木に「ひっかかってしまって」いた。風の強い日にベランダに干したTシャツが飛ばされて家に帰ってこられなくなった、そんな佇まいでいた。ギャラリーに訪れた人は、ぎょっとしたのではないか。窓の外の木に引っかかっているこれ(ドクロとクリーチャーが鎖で繋がっているもの)は、何だ、なぜここに、どうやって? そもそも作品かどうかも悩ましい。そんな妙なシチュエーションをつくってくれたことに、私はとても満足していた。

会期も残すところ4日と迫った12月25日、昨日まで黄色い葉をつけていた銀杏の樹が刈られ、枝と幹だけになっているのを目にして戦慄した。この日は早朝から周辺の街路樹剪定が行われており、木に引っかかっていた和田さんの作品は、もろとも切り落とされた。作業員は、作品に気づいただろうか。
編集者、ライター 浅見 旬

あさみ・じゅん/デザインスタジオ〈well〉所属、古物らの店『Goods』を運営。作家と協働したアートブックの制作・出版のほか、文筆も行う。




































