From Editors
初めて行く店、見たことないもの。編集後記「新しい暮らしに出合える、店ともの」April 18, 2025
『&Premium』での編集者人生も9年目になりました。雑誌柄、いいものを求めて常にアンテナを張っていますので、クオリティの高い日用品やインテリア、服についてはたくさん見てきたつもりです。店だってそう。プライベートでも、自分のほしいもののテイストが理解できてきて、同じ店に何度も通い、同じものを繰り返し買う、ということも増えてきました。オンラインショップもうまく使いながら、自分の“スタンダード”と思えるものに囲まれる生活は、それはそれで充実しています。
そんな先日、会社の先輩と中華ランチをしていたら、回鍋肉を盛大にこぼしました。シミだらけになったシャツを眺めて悲しみに暮れながら「どこかで適当に着替えを買おうか」と考えていたら、会社の近くにそのシャツのブランドの実店舗がオープンしたことを思い出しました。僕はこのシャツの型が好きで、通販で買い足して買い足しては、柄違いで5枚持っています。5着あるものは6着あってもいいのです。編集部をこっそり抜け出し、店に走りました。
結果、購入したのはそのシャツと、デニムパンツ。もちろん、パンツを買う気はなかったんです。だけど、形がきれいで気になって、穿いたら動きやすくて……、久しぶりに洋服に心がときめき、購入することに。以来気に入って、ローテーションのために後からもう一本買い足すまでになりました(結局同じものを2本買ってる)。
それから僕は反省しました。無数にあるいいものについて、何を分かった気でいたのかと。そして、ときめく買い物の機会がこれまでもたくさんあったはずなのに、みすみすと逃していたことを後悔しました。さて、今回の特集はそんな担当者が、目を皿のようにして新しい店を探し、初めて出合うものを求めた一冊です。もう後悔はしたくない、ときめきたいのです。気合い入ってます!
(担当編集/松崎彬人)