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韓国の民芸に触れた旅。編集後記「暮らしを楽しむ、手仕事と民芸」October 23, 2024

韓国の民芸に触れた旅。編集後記「暮らしを楽しむ、手仕事と民芸」
米を研ぐためのボウルの他に、スッカラも一緒に買いました。

韓国の民芸に触れた旅。

 この夏、久しぶりに韓国ソウルに旅行し、以前から気になっていた古美術の街「踏十里(タッシンリ)」を訪れることができました。駅の近くに古いビル棟がいくつもあり、その中に200店舗ほどの骨董(道具)屋がひしめきあっているという不思議なエリアです。100年以上、もしくは数百年前のいわゆる骨董品もありますが、昔の庶民の生活道具や家具が店の内外にびっしり置かれているので、宝探し的な楽しみがあります。そのビルの一階に、日本の骨董店のオーナーたちがよく訪れるという『香美堂(ヒャンミダン)』というお店があり、あちこち物色していると、片隅に渋い色合いの、木製のボウルのようなものを見つけました。お店の方に話を聞くと、これは米を洗う道具とのこと。直径40cmくらいのかなり大きめの器で、その使い込まれた光沢感に一目惚れして、衝動買いしてしまいました。内側に5本の筋のようなものが刻まれているのですが、これは想像するに、米を研ぐときのひっかかりになるものなのでしょう。まさに生活のための道具、という感じにぐっときます。米は(たぶん)洗わないけれど、雑貨入れに使うと楽しそうです。今号でもたくさん取り上げていますが、「民芸的な美しいもの」は、世界中どこでも見つけられるものなんだ、と実感した夏旅となりました。

(本誌編集部/KK)

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