BOOK 本と言葉。

「創作」の真髄を伝える一冊。『人間国宝という生き方 工芸の匠30人』が発売。October 03, 2023

渡辺紀子 『人間国宝という生き方 工芸の匠30人』

創作とは、生きることそのものだ。

本誌連載「&food」や本サイトにて「旬を取り寄せて、贈る。手みやげ12か月。」を連載中のライター・P(ぴぃ)さんこと渡辺紀子さんが、書籍『人間国宝という生き方 工芸の匠30人』(淡交社)を刊行した。本書は、日本橋三越本店の会員誌『お帳場通信』で2014年から8年にわたって連載された「人間国宝探訪」を一冊にまとめたもの。延べ30名の人間国宝(重要無形文化財保持者)である工芸作家へのインタビューと、作品が完成するまでの美しい制作過程を収めた写真で構成されている。

日本の伝統的なものづくりを受け継ぐ人間国宝一人ひとりの物語はどれもドラマチックで、染織、陶芸、漆芸、木竹工、金工、人形と様々な分野の工芸作家が登場する。

人間国宝(重要無形文化財保持者)認定制度が生まれたのは、1954年。戦後の疲弊した日本で、失われつつある技術を守りたいというのが発端であり、この本を読むと日本の伝統技術が持つ美しさと希少性を実感するだろう。

時代の変化を乗り越えて創作を続けてきた職人たちの生き方には、我々がこれからの日本を生きるためのヒントが詰まっている。

BOOK INFORMATION

『人間国宝という生き方 工芸の匠30人』

著者:渡辺紀子
発行:淡交社
価格:¥3,520(税込み)

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