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とらやに桜咲く、春の野 ー草木と暮らすー展。March 16, 2020

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季節のうつろいを映し出す、盆栽と和菓子。

日本には立春、春分、夏至などの二十四節気をさらに細かく分けた七十二候という季節のとらえ方があります。第11候(3/25〜3/29頃)は、「桜始開(さくらはじめてひらく)」。もう間もなく、桜の季節の到来です。

今回ご紹介するのは、『とらや 赤坂店』にて開催される盆栽展「春の野 —草木と暮らす—」。

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自然の情景に見立て、四季折々の姿を愛でる盆栽と和菓子には通じるものがあるといいます。
会場に並ぶのは、今の暮らしに合う軽やかな盆栽を手がける『榊麻美植物研究所』榊麻美さんの作品。片手に乗るくらいの桜など、春の花ものを中心とした盆栽が展示・販売されます。

盆栽は上手に育てれば何十年と目を楽しませてくれるのだとか。会期中は榊さんが在店し、育て方やお手入れについて相談にのってくれます。

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『とらや 赤坂店』には、生菓子や干菓子、行事菓子などがずらり。中でも気になるのは、半月ごとに登場する季節の上生菓子。別冊ムック『&Oyatsu おやつの時間』でも、十二か月分の生菓子を紹介しました。
 
桜の花が咲く頃に登場するのは、羊羹製「手折桜(たおりざくら)」。

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羊羹製「手折桜(たおりざくら)」(初出年代明治42/1909年 )販売期間:2020年3月16日〜3月31日。生菓子の販売は赤坂店のほか、一部店舗のみ。詳しくは公式サイトを。
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「形物御菓子見本帖」『手折桜』(大正7/1918年)14代店主・黒川光景は受け継がれてきた意匠に新たな菓子を加え、約1,300もの菓子の絵を画家に描かせ、計6冊からなる新しい見本帳を仕上げた。
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「菓子見本帳」(元禄8年、宝永4年、文政7年)現代でいう商品カタログのようなもの。とらやには元禄8/1695年のものをはじめ、約40冊が保存されている。

その歴史は古く、14代店主・黒川光景(みつかげ・1871-1957)が大正時代に編纂した「菓子見本帳」にも載っています。絵を見ると、花と若葉を付けた枝は手で折られたよう。
「春を謳歌するように咲く桜の美しさは、自分だけで賞美するには忍びなく、手で折って持ち帰りたい」という気持ちは、昔から変わらないのでしょうか。日本人の心を表現したような菓銘に、親近感を覚えずにはいられません。

そのほかにも、春を感じさせてくれる菓子がたくさん。桜餅のような味わいの季節の羊羹「桜の里」や桜をかたどった最中「御代の春 紅」などは、お取り寄せも可能です。

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季節の羊羹(中形)「桜の里」販売期間:2020年3月上旬〜4月上旬
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季節の羊羹(中形)「桜の里」道明寺羹と、塩漬けにした桜の葉を細かくきざみ入れた煉羊羹でつくったもの。道明寺製の桜餠にも似た食感と桜葉の香りが楽しめる。

菓銘から情景を思い浮かべ、五感で楽しむ和菓子。とりわけ上生菓子は、茶の湯の発展とともに洗練を極め、季節を先取りして表現するものになっていきました。その楚々とした美しさが、春を迎える気持ちを整えてくれそうです。

春の野 ー草木と暮らすー展
会期:2020年3月21日(土)22日(日)
時間:21日 10:30〜18:00、22日 10:30〜17:30
会場:とらや 赤坂店2階
住所:東京都港区赤坂4-9-22
電話:03-3408-4121(代)

text:Yu Miyakoshi

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