京に根付く食文化をとりどりのお弁当で。
京都、ひとりごはんアドレス。March 03, 2023

2023年2月20日発売の『&Premium』の特集は、「ひとりでも、京都」。ひとりでも楽しめる。ひとりだからさらに楽しい。そんな情報を集めた、本誌３年ぶりとなる京都特集です。ひとりで旅をしたときに気になるのが、どこで何を食べるか。そんなとき、お持ち帰り可能な寿司＆お弁当という選択肢が京都にはあります。ここでは、京都在住のライター・齋藤優子さんが選んだ京の味が詰まった４つのお弁当を紹介します。

体にやさしい地元の恵みをギュッと。

野菜がおいしい京都は、野菜料理も多彩でいいなぁ。そう思わせてくれる、玄米おはぎと野菜料理が評判のカフェが作るヴィーガン弁当。南丹『SLOW FARM』や亀岡『べじたぶるぼーと』などから届く自然栽培や有機の野菜を、センスのいいスパイスや調味料使いで、和洋中のお惣菜に仕立てていて、食べるのが楽しい。南丹『コバタケファーム』から届く無農薬玄米を炊いた酵素玄米ご飯と。

Hobodo_岡崎
京都市左京区東大路西入正往寺町452 ☎080‒7325‒3697 11:30～17:00 月～木休　詳細はInstagram@hobodocafeにて。予約の電話は随時受付。

ご飯にのった大判のリブロースが贅沢。

棟方志功ら民藝ゆかりの店として知られる『十二段家』は、日本のしゃぶしゃぶ発祥の店としても知られる老舗で、なんといっても牛肉が旨い。すき焼きは、ざらめを使わず、割り下でさっと煮て、その旨味を生かして食べる。お弁当も同じように煮た、やわらかな大判のリブロースが2 枚、重なるようにのり、肉を存分に堪能できる。契約農家から届く近江産こしひかり米を炊いたご飯もおいしい。

Junidanya Hanamikojiten_祇園
京都市東山区祇園町南側570‒240 ☎075‒561‒1655 11:30～14:00LO 17:00～20:00LO 木、第2 水休　前日までに予約が確実。

料理旅館の風情を、軽やかな天ぷらと。

大正初期に建てられた数寄屋造りの館が風情溢れる料理旅館は、お弁当を買いに訪れるだけでもワクワクする。天ぷらは、1964年の東京オリンピックの際に、外国人観光客などへのもてなしとして始めたという。エビ、イカ、ナス、カボチャなど、季節の12～13種がのる具材は、関西風に大豆白絞油でカラッと揚げられており、とても軽やか。天つゆもすっきりとした味わいで、食後感がいい。

Yoshikawa_京都市役所前
京都市中京区富小路通御池下ル松下町135 ☎075‒221‒5544 11:00～13:45LO 17:00～20:00LO 水休　電話で2 日前までに要予約、繁忙期など受付できない場合もあり。

折の隅々まで仕出しの技が詰まった正統派。

仕出しの名店として知られる料亭『木乃婦』で長年研鑽を積んだ店主が、コロナ禍を機に始めたお弁当。車海老や白魚のあられ揚げから、焼き物、ぬたまで。彩りよく盛り込まれたおかずは、どれも、冷めてもおいしく、味移りしないよう仕上げてある。なかでも濃いめに味つけされたツブ貝のかやくご飯には、山菜の天ぷらがのり、ご飯がパサつかないよう工夫が施されていて、さすがの一言。

Takezaki_御所南
京都市中京区押小路通高倉東入ル竹屋町150 ☎075‒744‒1661 昼12:00入店のみ 18:00～20:00LO 受け取り11:30～19:00 不定休　持ち帰りは2 日前までに要予約。

photo : Kunihiro Fukumori text : Yuko Saito