LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。
伊藤まさこさんと〈パナソニック〉のデザイナーが交わす、これからのくらしの豊かさの話。Vol.03Talking About Better Life by Panasonic DesignAugust 20, 2024 /〔PR〕
Vol.03 お風呂とくらし
生活の形が多様化するいまこそ考えたい”くらしの豊かさ”について、
伊藤まさこさんと〈パナソニック〉のデザイナーが対談する連載企画。
第3回は住宅設備担当の中内萌木さんとバスルームについての話を。
伊藤まさこ Masako Ito
スタイリスト。料理や雑貨など、暮らしまわりのスタイリングで活躍。自らプロデュースした衣食住にまつわる商品を販 売する〈weeksdays〉を〈ほぼ日〉と一緒に運営する。最新 刊の『する、しない。』(PHP研究所)ほか、 著書多数。
中内萌木 Moegi Nakauchi
パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社 イノベーション本部 デザインセンター プロダクトデザイナー。 2017年の入社以来、バスルームなど住宅設備を担当する。ホテルやオリジナルオーダーなどの設備を手がけることも。
自分にとって大切なものを見極めて、癒やしの時間を手に入れる。
プロダクトデザイナー・中内萌木さんは〈パナソニック〉でバスルームのデザインを手がけると同時に、無類の風呂好き。片や使い心地を追求したバスタオルを作るほど道具にこだわる伊藤まさこさん。それぞれの視点からバスルームのあれこれを語り合いました。
伊藤まさこ(以下伊藤) 今日はお風呂の話なのに、 私、シャワー派なんです。普段はさっと済ませていて。
中内萌木(以下中内) 意外です。私は子どもの頃からお風呂が大好きで、何時間でもいられるし、勉強も湯船でやっていたほど。教科書もしわしわでした。
伊藤 それはすごい。気分転換になるんですか?
中内 いまは、私にとってお風呂の時間は何かを洗い流すという意味合いが強くて。体の汚れもそうですが、嫌な感情を解かしてくれる場所になっていますね。
伊藤 中内さんはお風呂でリフレッシュしたり考えごとをしたり。私は使い勝手のいい掃除道具を探すとか、バスタオルを考えるとか、お風呂まわりの快適さを追求するのが楽しい。同じバスルームでも過ごし方が全然違いますね。でもいくら中内さんがお風呂好きとはいえ、そのデザイナーを目指したのがおもしろい。
中内 元々インダストリアルデザインには興味がありました。ユニットバスって日本特有の設備で、工業製品だけど空間でもある。独特な立ち位置のプロダクトであることに惹かれたんです。
伊藤 そこに様々な技術や工夫が詰め込まれていると。
中内 はい。最新の「BEVAS」(ビバス)だとパワフルな水圧でお掃除を助けてくれるビームシャワーや、水切れがよく見た目にもリラックスできる、天然石をモチーフにした床材を取り入れています。床のフチを立ち上げて、壁との目地に水が溜まらないようにしたり、ディテールにもこだわって。
伊藤 今日私が持参した、愛用のスキージーもそうですね。最初はワイパーと持ち手が別の素材でできているものを使っていたけれど、継ぎ目に汚れが溜まるのが気になって、一体化しているものに替えました。
中内 デザインにおいて接ぎ目ってとても大切。私たちはそんな細部を〝スミとフチ〞と呼んでいて、心地よい空間をつくるために大切にしています。目立たないけど、チーム全体で意識していることのひとつです。
伊藤 実は私もいま家を作っていて、お風呂について改めて考えたところでした。新居の近くには温泉があることもあって、バスルームはシャワーだけ。天井も 床も壁も同じ塗料で塗ってシンプルに、掃除をしやすくして。カーテンはすぐ乾くリネン素材のものを取り入れ、オーバーヘッドシャワーを設置しました。使い勝手はさておき、格好いいから憧れていたんです。
中内 潔い仕様ですね。どうやったらイメージをぶらさずに完成に漕ぎ着けられるのか、興味が湧きます。
伊藤 まず家を建てる前に「いる・いらないリスト」を作りました。バスタブや巾木はいらない、薪ストーブは作る、天井には何も付けずに、間接照明だけといった具合に全部書いて、設計士さんと大工さんに渡して。すると家づくりの最中に迷うことがなくなります。
中内 それは真似したい! 「いる・いらない」でいえば、バスルームは何か付ければ付けただけ汚れが溜まりやすくなります。ものがないほうがすっきりして、掃除もしやすくなるのですが、取ってしまうばっかりだと気持ちが貧しくなってしまう部分もある。だから物理的な要素は減らしながら、でも、心が満たされる空間をつくりたい。その鉄則を守った先にあるのが「BEVAS」のカウンターなんです。
伊藤 余計なもののない美しさ、大切ですよね。
中内 そうなんです。例えば、水栓の上部をフラットにして、ボトルなどを置くカウンターと一体化。さらに、下から上へと光を放つアッパーライトの間接照明を埋め込みました。化粧品売り場のように、下からのライトで照らされて、カウンターの上に並ぶものが主役になるんです。バスソルトなど、お気に入りのアイテムにライトが当たって、自分が脇役になることでリラックスできる。
伊藤 外国の映画などを観ていると、バスルームにキャンドルが置かれていて素敵ですよね。その感覚に似ているのかも。ずっと入っていられそうな、落ち着く明かりというか……。そうか、いままでの住宅のお風呂は、心を休めるには明るすぎたのかもしれませんね。
中内 私たちは、そんな柔らかな光も選択肢として用意したいと考えました。防水機能を持たせながら上向きに照明を埋め込むのは技術的に難しかったですが、エンジニアと協力して実現できました。
伊藤 そうなんですか。お客様の反応はどうですか?
中内 忙しくて心身ともに疲れ切った日でも「このお風呂で過ごす時間があれば頑張れそう」と。「このひとときこそが、自分の時間」とおっしゃる方もいます。
伊藤 バスルームって一人になれる場所ですもんね。私は車の運転が大好きなんですが、それは一人になれるから。お風呂も似ていますよね。もう少し私好みの照明を選べるようになれば、シャワー派を卒業して、ゆっくりお風呂を楽しむことができるかも。ユニットバスで、それができたらうれしいです。
中内 バスルームにこだわっている人って、外から見えないところもちゃんとして、本当の意味で暮らしを豊かにしようとしている人だと思うんです。
伊藤 うん、私もそう思います。暮らしのあらゆるシーンで自分自身が心地よいと思えるように突き詰められると、きっと毎日が充実していきますよね。
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photo : Yoshiki Okamoto text : Mako Yamato