MUSIC 心地よい音楽を。

ミュージシャン岡田拓郎さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1April 04, 2025

April.04 – April.10, 2025

Saturday Morning

Title.
Golden Sea
Artist.
Kahil El’Zabar With David Murray
ポツポツとリズミカルに紡がれるカヒルのカリンバに、気ままな口笛を思い浮かべるデヴィッド・マレイのサックス。フリー・ジャズ手練れプレイヤー2人による穏やかな陽光のような演奏がアフロ的な反復をするビートの中で調和し歩みを進める。もしもゆったりとした休日の午前中の会話が音楽になったのならきっとこんな音楽になるのでしょう。この曲が収録されているアルバムは、数あるフリージャズ作品の中でもアルバム通して静かめな1枚なので午前中のリビングでも聴きやすいです。ちなみに本盤収録で、同様のアンサンブルで奏でられるマイルス・デイヴィスのカヴァー「All Blues」も素晴らしいです。ここではカヒルによるブルース的な歌唱も交差します。
アルバム『Golden Sea』収録。

Sunday Night

Title.
Night Ride Home
Artist.
Joni Mitchell
暗がりの中でたとえその先が見渡せなくても、ヘッドライトに照らされ車窓を過ぎていく景色や車内の目に映るものをシンプルに写実的にほの明るいタッチで描写されていく様子は、今この瞬間の至福を謙虚にでも表すよう。80年代の煌びやかな喧騒を潜り抜けアコースティックギターを中心にした音数の少ないアンサンブルに回帰しつつも、鈴虫を模した電子シーケンスやアトモスフィックなペダルスティールといった音響的なテクスチャーが加わるサウンドは今改めて聴いても素敵ですね。彼女の作品はどれも好きですが、車のダッシュボードにいつもCDを入れているのもあって特によく聴いています。
アルバム『Night Ride Home』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ミュージシャン 岡田拓郎

1991年生まれ。東京都福生市育ち。音楽家。2012年にバンド「森は生きている」を結成。『グッド・ナイト』をリリース。2015年のバンド解散後は、ソロ・アーティストとしての活動、環境音楽の制作、即興演奏のほか、柴田聡子、優河、安部勇磨など、他のミュージシャンのプロデュースやエンジニア、演奏者として数多くの作品やライブにも参加している。ギター、ペダルスティール、シンセなどの楽器を演奏する。2022年に即興演奏の編集で構築された『Betsu No Jikan』、2025年にはLAのレーベルTemporal Driftより『The Near End, The Dark Night, The County Line』をリリース。

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