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シワ改善ケアの市場を切り開いたパイオニア美容液。&Beauty キレイの理屈 〈ポーラ〉March 26, 2023

POLA | Wrinkle shot
POLA | Wrinkle shot
日本初の薬用シワ改善化粧品、〈ポーラ〉の”リンクルショット”シリーズ。左から、「リンクルショット ジオ セラム プロティアン」 [医薬部外品]40g ¥11,000、「リンクルショット メディカル セラム」[医薬部外品]20g ¥14,850(ポーラお客さま相談室☎︎0120−117111)

〈ポーラ〉が日本初の薬用シワ改善美容液「リンクルショット メディカル セラム」を発売したのが2017年。2002年にシワに特化して研究を深掘りし始め、シワのできるメカニズムを追求、約5400種の素材から開発した「ニールワン」にたどり着き、厚生労働省に申請。7年かけて医薬部外品有効成分として承認を受け、発売に至る。
 シワはできたら諦めなければならないもの、という固定観念を覆らせ、皆こぞって「メディカル セラム」に希望を見いだし、市場は一気に広がった。このとき〈ポーラ〉が心がけたのは、「わかりやすく」「シンプルに」伝えるということ。難しいメカニズムや配合されている有効成分の説明の前に、「シワは改善できる」点をストレートに発信した。美容液は予想を超える大反響を呼んだが、開発チームはそこで止まらず、その声を受けてさらに研究を続け、2021年に2代目を発売。シワをなぞるのではなく、シワに対して垂直に塗り込むのがポイントで、2代目はさらに感触がよくなった、と喜びの声が続々届いたという。
 シワに有効な成分は、「純粋レチノール」や「ナイアシンアミド」などがあり、これまでの知見の積み重ねがあったが、「ニールワン」はまったく新しい成分だったので、他の成分との相性もまだこれから探る必要がある。新規成分だからこその苦労を抱えながら、地道な研究と地道な成分のスクリーニング、試作と、とにかく時間を費やす。
 一方、部分用ではなく顔全体用として新たに発売したのが「リンクルショット ジオ セラム」。こちらも今年「肌のプロテイン密度」に着目して2代目が新発売に。プロテイン自体は新しい素材ではないが、スキンケア視点で提案している点が〈ポーラ〉の着眼点の斬新さ。みずみずしいけれど、肌になじませると広がり、薄い膜が張ったようなハリを感じる、独特の「モーションフィットベール」がなんともいえない効果実感を生み出す。表情の動きによって肌にかかる力を「表情圧」として打ち出しているのもとてもわかりやすい。シワは悩みどころだが、表情豊かなことは悪ではない。そんな、「表情をサポートする」という提案がなんともポジティブに響く。もちろんエビデンスや効果があってのこと。〈ポーラ〉が絶大なる支持を受け続ける理由は、ここにある。

文/久保直子
くぼ・なおこ/ウェルネス&ビューティジャーナリスト。植物療法(フィトテラピー)をツールに、ココロカラダハダケアについて独自発信。

※この記事は、No. 113 2023年5月号「&Beauty」に掲載されたものです。

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