Culture

ビールによく合う、あの人の一皿。『&Premium』No. 81 2020年9月号より立ち読み / August 05, 2020

2020年7月18日発売の『&Premium』最新号の特集は、「真似をしたくなる、あの人の手料理」。このところ、家にいる時間が増えて、料理をする機会もそれ以前よりずっと多くなったという人、少なくないんじゃないでしょうか。おいしい料理を作れる幸福感というのも、やっぱりBetter Lifeなんだと思います。

ということで、家で料理を楽しんでいる人たちに最近のお気に入りの一皿を披露してもらったり、料理家やシェフたちがささっと作っている我が家の味を教えてもらったり。じつは奥深いたまご料理についても、じっくり掘り下げてみました。

ここでは、『SHIPS』でバイイングの仕事をしている中山良子さんの一皿、ビールによく合う「夏野菜のクミンオイスターソース炒め」の作り方をご披露いたします。

夏野菜のクミンオイスターソース炒め

081_p028_07中山良子さん_01
野菜は大きめに乱切りし見栄えも楽しむ。 通称赤星「サッポロラガービール」がお供。

HOW TO COOK

フライパンでオリーブオイルを温め、クミン、マスタードシードを軽く炒る。香りが高まってきたタイミングで、茄子、ヤングコーン、キュウリ、ミニトマトを投入し、焼き付けながら全体にスパイスの香りをまとわせる。茄子が、しんなりしすぎずに、ある程度油を吸ったなというくらいがちょうどいい塩梅。最後に少量のオイスターソースを回しかけ、軽く混ぜ合わせたら火を止めて出来上がり。

瓶ビール片手に、居酒屋風おつまみ。

 彼女がキッチンに立ってほどなくして部屋じゅうがクミンの香りに包まれた。バイヤーとして各地を飛び回る中山良子さんが夫と暮らす家は、まるで多国籍風居酒屋みたいだった。インテリアのこなれ感はいわずもがな、瓶ビールが常時あり、グラスもちゃんと冷えている。皿や器に至ってはすぐに取り出せるようにとショーケースに陳列されているのだ。「夫婦揃ってお酒と料理好き。思い立ったら台所に立て、飲み食べ始められる備えは万全です。もちろん作るのはお酒が進むメニュー(笑)」
 さきほどのクミンの香りを景気づけに、もう瓶ビールが開いていた。突き出し風の、刻みたくあんを加えた「和風ポテサラ」と韓国のりをまぶした「梅干しとクリームチーズ和え」をつまむうち、台所ではジュージューという音とともに湯気が立ち上る。さて出てきたのは「夏野菜のクミンオイスターソース炒め」。居酒屋で食べたメニューを再現することがよくあるそうだが、「これも酒席で得たアイデアをアレンジしたもの」。今日はビールに合わせ、スパイスを効かせてある。「おつまみのようなメニューでも薬味や食材のかけ合わせで個性的な味わいに」。たしかに。まずはこの香りと色合いでビール3 杯はいける!

カルダモン、フェネグリーク、フェンネル、
アジョワン......、スパイスは毎食使う。
カルダモン、フェネグリーク、フェンネル、 アジョワン......、スパイスは毎食使う。
「どこでもすぐに飲んで食べられるよう に」室内随所にコースターなどをセット。
「どこでもすぐに飲んで食べられるよう に」室内随所にコースターなどをセット。
今日だけかもしれないが、冷凍庫にはビー
ル用グラスと氷のみという潔さ!
今日だけかもしれないが、冷凍庫にはビー ル用グラスと氷のみという潔さ!

中山良子 バイヤー
Ryoko Nakayama

『SHIPS』でバイイングを担当。国内外の個性的、印象的なものをセレクトする抜群のセンスを持つ。同業の夫、高島大輔さんも料理好きで調理師免許保持者。

photo : Ayumi Yamamoto edit & text : Koba.A

Pick Up おすすめの記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 126窓辺に、花と緑を。2024.04.19 — 930円