TRAVEL あの町で。

北村恵子さんが語る、沖縄県・那覇。民藝と、ウチナーンチュとの縁を感じる地。December 07, 2024

繰り返し訪れているからこそ知っている、季節によって変わりゆく景色。いつも変わらないあの店、必ず買って帰るお土産、ふだんの町並み。旅好きのあの人が語る、何度も足を運んでいる町とその魅力とは。

『糸満屋』で、沖縄の料理と風習を一度に堪能する。

北村恵子さんが語る、沖縄県・那覇。民藝と、ウチナーンチュとの縁を感じる地。
工房や直売店、ギャラリー、壺屋焼物博物館もある壺屋やちむん通りは、器好きなら必ず覗いておきたい。

 やちむんが好きで、山田真萬さんという作家に会いたくて初めて沖縄に行ったのが27年前。そのとき泊まったのは那覇の『沖縄第一ホテル』で、調度品や使われている器がすべて沖縄のもので素晴らしく、感激しました。20品もの伝統料理が並ぶ豪華な朝食は、予約すれば宿泊客でなくても食べられます。以降、隙を見つけては沖縄に行くようになりました。魅力なのはやっぱり、人。仲良くなった彼らのおかげでどれだけ旅が豊かになったかわかりません。その代わり、彼らとの縁が広がるほどに会いたい人、やりたいことが増える一方で、ビーチでのんびり、はほとんどしたことがないですね(笑)。器きっかけで沖縄が好きになったこともあって、やはりやちむんは見たいので、作家の窯にお邪魔したり、那覇市立壺屋焼物博物館や沖縄県立博物館・美術館で展示を見たりも。居酒屋『糸満屋』はすごくいいですよ。魚屋さんがやっているので魚介はもちろん、にがな和えも絶品だからおすすめしたい。それから、居酒屋などでは、仲間内で積み立てをする「模合」という互助システムで盛り上がっている様子が見られることがあるのも、沖縄ならではの風景で面白いです。そうそう、外せないお土産は『ジミー』のアップルパイ。帰りの空港で完売していなければ、荷物がどれだけ多くても必ず買うほど大好きです。


沖縄県・那覇
Naha_Okinawa
沖縄県の県庁所在地および最大都市。琉球王国時代のアジア各国との交易や戦後の米軍統治下の影響から、他国の文化が独自に混じる。首里城跡は世界遺産。東京から那覇空港まで約2時間40分。

北村恵子 Keiko Kitamura
『MOGI Folk Art』『MOGI & MOGI』オーナー
BEAMSのバイヤー時代にレーベル〈fennica〉を立ち上げ、北欧家具や民藝のブームを牽引する。

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