TRAVEL あの町で。
菊池亜希子さんが語る、山口県・周防大島。都会の喧噪を逃れ「何もしない」ができる島。July 19, 2024
繰り返し訪れているからこそ知っている、季節によって変わりゆく景色。いつも変わらないあの店、必ず買って帰るお土産、ふだんの町並み。旅好きのあの人が語る、何度も足を運んでいる町とその魅力とは。
海で泳いだあとは『たちばなや』のラーメンで休憩。

この10年ほどで東京を離れた友人が何人かいて、最近は彼らに会いに行くことが旅の主な理由。屋代島にある周防大島へは夫の親友を訪ねに、家族で足を運んでいます。押しては返す波で酔ってしまうこともあり、実は昔からあまり海が得意ではないのですが、ここは穏やかな瀬戸内海に面するので驚くほど静か。様々なビーチが点在するなかでも、いつも観光客が少ない穴場を教えてもらうんです。水面が穏やかなので、浮輪に乗って、ただぼーっと浮かんでいるだけで、すごく気持ちがいいんですよね。そして夜は星空が息をのむほど美しい。子どもたちが大興奮だった『なぎさ水族館』では、ナマコやヒトデ、小さなサメなどに実際に触れることができて。海や水族館で遊んだあとは『たちばなや』へ。ここの中華そばは、透き通ったいりこの煮干しスープが絶品。お客さんは地元の人がほとんどで、夏にみんなに交ざってテレビで甲子園を観ながら、応援したのもいい思い出。暑い日には山口県産のきらら牛乳を使用している『iiiro gelato』のジェラートを。ラムレーズンが特におすすめ。『瀬戸内ジャムズガーデン』も、地元の柑橘類をたっぷり使ったジャムの種類が豊富で、お土産に買って帰ります。都会にいると情報量が多すぎて何もしないことが難しいけれど、スイッチをオフにするために、ここにまた来たくなります。
山口県・周防大島
Suo-oshima Yamaguchi
山口県の南東部、屋代島に位置。「瀬戸内のハワイ」と呼ばれるほど雄大な自然に囲まれる。本州とは1020mの大島大橋で結ばれている。東京から岩国錦帯橋空港まで約1時間30分。航路フェリーも使える。
菊池亜希子 Akiko Kikuchi
モデル・俳優
雑誌、ドラマ、映画、CMなどに出演、執筆業も行う。エッセイ集『へそまがりな私の、ぐるぐるめぐる日常。』(宝島社)発売中。毎週土曜日9:30~『スープのじかん。』(interFM)出演中。
illustration : Naoya Sanuki text : Shoko Matsumoto






























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