音楽家・冥丁さんが「二十四節気」をテーマにした12インチ作品『室礼』を発売。February 18, 2025

　「土曜の朝と日曜の夜の音楽」に情緒豊かな選曲と寄稿をしていただいた、ミニマルなアンビエントミュージックを届ける冥丁さん。彼は日本の文化から徐々に失われつつある、過去の時代の雰囲気を「失日本」と呼び、現代的なサウンドテクニックを用いながら、日本古来の印象や情緒を感じさせる独自のサウンドスケープを描き続けている。私的でコンセプチャルな音楽を広島で制作し、国内のみならず、ヨーロッパツアーなど海外でのライブ活動も精力的だ。

来月3月7日（金）には、冥丁が日本の暦に着目し、古の文化を現代に訳しその概念を届ける"WARA"のために「二十四節気」をテーマにした作品『室礼』（しつらひ）が限定12インチ・ホワイト・ヴァイナルとしてリリースされる。「室礼」とは、飾りつけ、設け整えること。この概念を体現するように、「間」に重きを置き、自らがピアノを演奏、録音した。繊細なピアノ・サウンドと自然音やエレクトロニクスなどのさまざまなテクスチャーがデザインされた４曲は、「二十四節気名」の「立春」「立夏」「立秋」「立冬」というタイトルが付けられた。

マスタリングは、田辺玄が担当。15分という短い音世界の中に季節や時間の移ろいが静かに感じられる。レコード特有の柔らかな音にじっくりと耳を傾けると、一音一音が描いているものが目の前に立ち現れ、瞑想しているような時間が過ごせるだろう。

そして、彼の音楽を生で体験できるライブも待機している。本作品の発売を記念した国内ツアーを東京・京都の2都市で開催する。東京公演はすでにSOLD OUTだが、京都公演はまだ余裕があるのでこの機会にぜひ、足を運んでみてほしい。

text : Seika Yajima