LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。
風通しのいい、光いっぱいのサンルーム。川原飛鳥さんの、植物を育てる暮らし。April 17, 2023
2023年4月6日発売の特別編集MOOK「花と緑を愛でる」。花の飾り方、植物との暮らしの実例を中心に、本誌がこれまで特集してきた、ボタニカルなBetter Lifeを一冊にまとめました。ここでは、『かき氷屋ALASKA』店主・プロップスタイリスト・川原飛鳥さんの、植物を育てる暮らしを紹介します。
Life with GreensSUN-FILLED ROOM
平屋の洋館を改装して、緑あふれる家に。
道路から入って、上り坂になったアプローチを抜けると、広い庭を持つ白い洋館が見えてくる。外国人が住んでいた築49年の平屋をフルリノベーション。3年前から川原飛鳥さんと夫、2人の娘が暮らしている。
改装したサンルームは、この家に引っ越す前から植物が大好きだったという川原さんのリクエストによるもの。太陽の光をさんさんと浴びた植物たちが、愛情受けて育っている。
「一番好きなのはサボテンなのですが、子どもが生まれてからトゲが危ないかな、と思って人に譲ってしまいました。でも、やっぱり手元に置きたくなるのは、ちょっと形が変わったもの。特にアロエは好みです。花もいいし、広がっていく形もいい。株分けして増やすのも楽しいです。植物に限らず、昔からちょっと汚れていたり、バランスがくずれていたりするものに惹かれる傾向があるようで。それもあって、きれいに整っている植物より、野性味のあるものにそそられるのだと思います」
川原さんの植物好きは子どもの頃から。実家の母親が好きで、家中に緑があふれていたそう。
「最大の魅力は、なんといっても成長です。けっこう自己満足の世界というか、新芽が出たのを見て一人で喜んだり。なので、ふだんは日当たりのいい場所に置いていて、部屋の中にはそれほど取り入れていないんです。私にとって植物は生き物であって、飾るものではないですね」
枯れてしまっても、悲しいことではないと割り切っている。
「もちろん枯らさないように頑張るのだけど、環境に合わないとどうしても枯れてしまう。それは仕方ないことなので、原因を考えて学習する。その繰り返しです」
そして、生きている植物以外でも、部屋には植物モチーフのものがいっぱい。テレビのカバーには植物柄の布が掛けられ、冷蔵庫にはボタニカルアートのカードやヴィンテージの種袋が貼られている。大好きなサボテンも陶器やガーランドライトのモチーフとして取り入れ、愛でたい心を慰める。さらに、子ども部屋の延長となるサンルームの一角では、本物の切り花と造花をミックスして生けている。リアルとフェイクをうまく交ぜることで、家のあちこちで緑が感じられるしつらえに。自分や娘たちが着る洋服もほぼ花柄。
「ボタニカル柄がすごく好きなんです。育てている植物がグリーン中心なので、そこに花を加えていく感じ。フェイクでも本物そっくりにできているので、うまく取り入れると彩りなどのアクセントになります」
ガラスの温室もある広い庭はまだ手つかず。でもいつか、ガーデニングもやりたいと思っている。
「きっと一生、終わらないですね」
川原飛鳥 『かき氷屋ALASKA』店主・プロップスタイリスト
イラストレーター、プロップスタイリストを経て現在は『かき氷屋ALASKA』を営む。スタイリングの仕事はマイペースに。
photo : Ayumi Yamamoto edit & text : Wakako Miyake