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京都で楽しむお茶の時間を、インテリアデザイナーの佐久間重光さんが案内。有機栽培の茶葉による、 茶藝をゆったりと。February 22, 2024
京都はいつ訪れても発見に満ちた街。だからこそ、好奇心に任せ、気ままに巡るのが面白いと思うのです。現地在住のガイドが案内する、古都のふだんの表情。ここでは、インテリアデザイナー、佐久間重光さんがお茶の時間について教えてくれました。
しつらえも含めて、 お茶の世界観を楽しむ。
インテリアデザイナーである佐久間重光さんが中国・台湾茶にハマったのは『京都 小慢』ができる際、施工を行ったことから。小曼老師の茶席美学にすっかり魅了され、自分でも茶葉を急須に入れるための茶通を作るようになるなど、一気にのめり込んでいった。そんな佐久間さんが紹介してくれたのは、店主の強いこだわりを感じられるところばかり。
「お茶を飲むときって空間体験も大事だと思うんです。『ファームーン』は別の世界に来たような、穏やかな時間が流れる空間です。奈良・月ヶ瀬のお茶もおいしいのだけど、それをあの空気感のなかで、しかも有名作家やアンティークの器で飲めるのがいい。さりげなくいいもので出してくれます」
同じく空間に感動するのが『京都 小慢』。
「古いものから現代のものまで合わせてモダンに仕上げている。小曼老師のセンスがとにかく素晴らしい。その類いまれな感性を体感できる場所で、パワーのある野放茶が飲める茶藝体験は格別。ぜひ行ってほしいです」
そして、『北白川糕糰店』では茶葉や菓子に対するこだわりを実感するという。
「厳選された茶葉はどれも間違いなし。人柄が表れるお茶は、幸せな気持ちになれます。また、中国茶に合う、繊細なお菓子ってなかなかないのだけど、ここのはおすすめです」
日本・台湾・中国の茶葉で、香り高いお茶を堪能する3軒。
ファームーン
farmoon 北白川
船越雅代さんがオーナーシェフを務める紹介制レストランが、週末のみ予約不要の茶楼を営業。40年以上有機栽培をしている奈良の月ヶ瀬健康茶園の茶葉で出すお茶は、今の時季は煎茶、ほうじ茶、秋
番茶、紅茶の4 種類。「夜も何度か食事に行きました。茶楼の茶粥もとてもおいしいです」と、佐久間重光さん。茶楼粥と小菜三種とお茶のセット¥1,500や豆花なども提供している。
▷京都市左京区北白川東久保田町9 11:00~16:00 金土日営業
京都 小慢
Kyoto Xiaoman 出町柳
台湾出身の茶人、謝小曼(シェ・シャオマン)さんがしつらえた茶藝館にて、週末限定で予約制の茶藝体験を開催。小曼さんが探してきた野生状態で育った力強い台湾の〝野放茶〞を3種類。お菓子とともに約90分かけて味わうというもの。「美意識が凝縮した空間で選び抜かれた工芸品を愛でながら、たっぷりと台湾茶のおいしさに浸ることができます」
▷京都市上京区幸神町313 金土の11:00~、14:00~の2 回開催。予約はメール(xiaoman.kyoto@gmail.com)にて。1 組4人まで。
北白川糕糰店
Kitashirakawakoudanten 清水五条
中国出身の江彦さんが主宰し、中国茶葉と菓子、茶器を販売。子どもの頃からお茶好きだった彼が直接産地から仕入れる茶葉には希少なものも。「中国茶に合う菓子を自ら作り始めたところ、それが大
好評。お茶と一緒にそちらも味わってほしい」。現在は知り合いの店に間借りしているが、今年夏に北白川で本格オープンの予定。
▷京都市東山区上梅屋町162 不定休 「試飲の日」「お菓子店頭販売の日」は約1 週間前にInstagram@bokbaktsu_godudiで告知。要予約。
佐久間重光インテリアデザイナー
〈佐久間美術〉という屋号にて、中国茶にまつわる道具を製作。「急須などは機能が必要ですが、茶通や茶則は基本的には自由。僕は主に煤竹で製作しています」と、佐久間さん。家の中には愛らしい茶道具がたくさん揃っている。活動の詳細はInstagramで確認。
photo : Yoshiki Okamoto edit & text : Wakako Miyake