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人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編February 24, 2026

市内を南北に流れる鴨川でも、今回歩いたのは御池通から北に丸太町通を上がったあたりまで。人で溢れる四条から1㎞ほど離れただけで川と街の表情は大きく変わり、エアポケットのような余白に人と水鳥が集う、穏やかな雰囲気。このエリアを両岸にまたがり北欧雑貨店『歩く鳥』の酒向歩実さんが案内してくれた。

&Premium148号(2026年2月号)「京都、ローカルガイド」より、鴨川エリアを紹介します。この記事は後編です。前編はこちらから。

人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | コンパクトな空間にぎっしりとパンが並ぶ『ベーカリー ウキ』(京都市上京区俵屋町455)。「おやつパンからボリュームある惣菜パンまで充実。ロールパンなどを手土産にすることも。列がないとつい寄りたくなる」と酒向さん。
コンパクトな空間にぎっしりとパンが並ぶ『ベーカリー ウキ』(京都市上京区俵屋町455)。「おやつパンからボリュームある惣菜パンまで充実。ロールパンなどを手土産にすることも。列がないとつい寄りたくなる」と酒向さん。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 東京・渋谷から移転して10年、この地にすっかり馴染んだ『ミーミーミー コーヒーハウス』(上京区上之町210)でモーニング。「〝ミーミーミーワールド〞と呼びたくなる、温かみ
のある空間。店主のユーモアを感じるグッズも素敵」
東京・渋谷から移転して10年、この地にすっかり馴染んだ『ミーミーミー コーヒーハウス』(上京区上之町210)でモーニング。「〝ミーミーミーワールド〞と呼びたくなる、温かみ のある空間。店主のユーモアを感じるグッズも素敵」
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 『ミーミーミー』での人気メニュー、ベーコン、エッグ、グリーンサラダとフルーツ添えのコーンミールパンケーキ(¥1,800)やフレンチトースト(¥1,600)など9 種。モーニングはすべてコーヒーやカフェラテなどのドリンク付き。
『ミーミーミー』での人気メニュー、ベーコン、エッグ、グリーンサラダとフルーツ添えのコーンミールパンケーキ(¥1,800)やフレンチトースト(¥1,600)など9 種。モーニングはすべてコーヒーやカフェラテなどのドリンク付き。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 『タマス京都店』(中京区清水町352‒3‒1F)では、ヴィンテー
ジのビーズやスパンコールを使って制作した繊細で独創的なアクセサリーが一堂に。デザインは数百種にものぼり、新作「Sony」シリーズなど、ネーミングもユニーク。
『タマス京都店』(中京区清水町352‒3‒1F)では、ヴィンテー ジのビーズやスパンコールを使って制作した繊細で独創的なアクセサリーが一堂に。デザインは数百種にものぼり、新作「Sony」シリーズなど、ネーミングもユニーク。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 『歩く鳥』と同じビルの1 階には、焼きたてのパンとアテ、ワインを楽しめる『マチ』(左京区聖護院東寺領町8‒1)が。「私はテイクアウトが基本ですが、時折店内利用も。パンをリベイクして、田舎風パテ(ハーフ¥600)と楽しみます」
『歩く鳥』と同じビルの1 階には、焼きたてのパンとアテ、ワインを楽しめる『マチ』(左京区聖護院東寺領町8‒1)が。「私はテイクアウトが基本ですが、時折店内利用も。パンをリベイクして、田舎風パテ(ハーフ¥600)と楽しみます」
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 取り扱いは新刊書を中心に、ZINEからレコードまで。新しいカルチャーとの出合いが待つ、堀部篤史さんの独立系書店『誠光社』(上京区俵屋町437)。「友人と入店して、それぞれが興味ある本を手に取り、何を買ったかを話すのが楽しい」
取り扱いは新刊書を中心に、ZINEからレコードまで。新しいカルチャーとの出合いが待つ、堀部篤史さんの独立系書店『誠光社』(上京区俵屋町437)。「友人と入店して、それぞれが興味ある本を手に取り、何を買ったかを話すのが楽しい」
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 『120グラムバインミー京都』(左京区聖護院東寺領町6‒2)のクラシックバインミー(¥1,200)は鴨川べりがよく似合う。「パリパリもっちりな自家製バゲットに季節の野菜がたっぷり入り、ボリューム満点なのにあっという間にぺろり」
『120グラムバインミー京都』(左京区聖護院東寺領町6‒2)のクラシックバインミー(¥1,200)は鴨川べりがよく似合う。「パリパリもっちりな自家製バゲットに季節の野菜がたっぷり入り、ボリューム満点なのにあっという間にぺろり」
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 昼間は自然光に優しく照らされ、夜は照明や並ぶアイテムの豊かな陰影が生まれる『フォーム 歩く鳥』。北欧に加えてドイツやアメリカなどのアイテムが並び、凛とした世界観を帯びている。今後は家具の扱いにも力を入れる予定。
昼間は自然光に優しく照らされ、夜は照明や並ぶアイテムの豊かな陰影が生まれる『フォーム 歩く鳥』。北欧に加えてドイツやアメリカなどのアイテムが並び、凛とした世界観を帯びている。今後は家具の扱いにも力を入れる予定。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 2025年11月に旧店舗のほぼ向かいに移転リニューアルした『イノツチ洋食店』(左京区頭町337‒79)。看板メニューの鉄板ハンバーグ(目玉焼きトッピングで¥1,700)は季節野菜のポタージュ付き。寺の境内に位置し、風雅な庭が望める。
2025年11月に旧店舗のほぼ向かいに移転リニューアルした『イノツチ洋食店』(左京区頭町337‒79)。看板メニューの鉄板ハンバーグ(目玉焼きトッピングで¥1,700)は季節野菜のポタージュ付き。寺の境内に位置し、風雅な庭が望める。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | セレクト食材店『マニーナ』(左京区難波町211‒5)では、オリジナルの焼き菓子がラインナップ豊富に。有機材料をベースにした卵不使用のアマゾンカカオビスケット( 1 箱¥1,3
00)、ビールが進む味わいのチーズスティック( 1 箱¥1,000)。
セレクト食材店『マニーナ』(左京区難波町211‒5)では、オリジナルの焼き菓子がラインナップ豊富に。有機材料をベースにした卵不使用のアマゾンカカオビスケット( 1 箱¥1,3 00)、ビールが進む味わいのチーズスティック( 1 箱¥1,000)。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 『マニーナ』では、母体であるレストラン『チェンチ』で愛用する品を中心にオリーブオイルやアンチョビ、パスタといった上質なイタリア食材がそろう。「手土産を買いに来たつもりが、目移りしてしまい、自分用にも欲しくなります」
『マニーナ』では、母体であるレストラン『チェンチ』で愛用する品を中心にオリーブオイルやアンチョビ、パスタといった上質なイタリア食材がそろう。「手土産を買いに来たつもりが、目移りしてしまい、自分用にも欲しくなります」
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 『ロブ コーヒーハウス』のブレンド(¥700)。コーヒー豆を粗めに挽き、たっぷりの量を使ってネルで抽出することで、丸みがある味わいで香り高い一杯が生まれる。気に入ったら、パッケージも素敵なコーヒー豆(¥1,400~)をお土産に。
『ロブ コーヒーハウス』のブレンド(¥700)。コーヒー豆を粗めに挽き、たっぷりの量を使ってネルで抽出することで、丸みがある味わいで香り高い一杯が生まれる。気に入ったら、パッケージも素敵なコーヒー豆(¥1,400~)をお土産に。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 『ラビット古着店』の早春のおすすめは、フィンランドやロシアのトラックジャケットやカットソー。現行品ではまず見つからない、ファンシーな色使いや素朴な素材感に気持ちが上がる。一点取り入れるだけで着こなしが新鮮に。
『ラビット古着店』の早春のおすすめは、フィンランドやロシアのトラックジャケットやカットソー。現行品ではまず見つからない、ファンシーな色使いや素朴な素材感に気持ちが上がる。一点取り入れるだけで着こなしが新鮮に。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 「店主のなおさんの安定感ある接客と鉄板さばきで、カウンターながらくつろいで飲んでしまいます」という居酒屋『とよこや』(中京区清水町352‒4)。野菜炒め(¥900)にポン酢と生卵(¥100)をつけて食べるのが酒向さんのお気に入り。
「店主のなおさんの安定感ある接客と鉄板さばきで、カウンターながらくつろいで飲んでしまいます」という居酒屋『とよこや』(中京区清水町352‒4)。野菜炒め(¥900)にポン酢と生卵(¥100)をつけて食べるのが酒向さんのお気に入り。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 戦前から縄のれんを守る名店『赤垣屋』(左京区孫橋町9 )。店名のネオンと赤提灯はすっかりエリアのランドマークに。開店の午後5 時前には列ができるが、遅い時間に覗いて入店のチャンスをうかがうのが常連の日常とか。
戦前から縄のれんを守る名店『赤垣屋』(左京区孫橋町9 )。店名のネオンと赤提灯はすっかりエリアのランドマークに。開店の午後5 時前には列ができるが、遅い時間に覗いて入店のチャンスをうかがうのが常連の日常とか。
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 骨までカリカリに揚げられたカレイのから揚げ(¥1,000)と芋焼酎「さつま白波」のソーダ割(¥700)の組み合わせが、『赤垣屋』でのお決まりという酒向さん。「ナスにしん
など、京都の味を街の先輩方に教えてもらったのもこの店」
骨までカリカリに揚げられたカレイのから揚げ(¥1,000)と芋焼酎「さつま白波」のソーダ割(¥700)の組み合わせが、『赤垣屋』でのお決まりという酒向さん。「ナスにしん など、京都の味を街の先輩方に教えてもらったのもこの店」
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 2025年9 月にオープンした『森田倶楽部』(中京区大文字町233)は、ソムリエでもありバーテンダーでもある森田さんによるワインと国産スピリッツのバー。「深夜2 時までの営業
で、いろんな気分の夜を受け止める包容力あるお店です」
2025年9 月にオープンした『森田倶楽部』(中京区大文字町233)は、ソムリエでもありバーテンダーでもある森田さんによるワインと国産スピリッツのバー。「深夜2 時までの営業 で、いろんな気分の夜を受け止める包容力あるお店です」
人を引き寄せる、ゆるやかな水辺のリズム。京都・鴨川、ローカルガイド。後編 | 酒向さんが『森田倶楽部』でいつもオーダーするのはハイボール(¥900~)。「縦長の氷を使って、美しい所作で作ってくれ、飾らないのにハッとするおいしさ。薄張りグラスを片手に、カウンターで話し込んで時間を忘れてしまいます」
酒向さんが『森田倶楽部』でいつもオーダーするのはハイボール(¥900~)。「縦長の氷を使って、美しい所作で作ってくれ、飾らないのにハッとするおいしさ。薄張りグラスを片手に、カウンターで話し込んで時間を忘れてしまいます」

Kyoto Local Guide_鴨川

盛り上がる仁王門通を軸に、川を渡って西へ東へ。

 今回紹介した鴨川沿いのエリアで、北欧雑貨とアパレルのショップ『歩く鳥』と『フォーム 歩く鳥』の2店舗を手がける酒向歩実さん。店を開いて以来、川に沿って南北に延びる街にお気に入りが増える日々。酒向さんがいま特に注目する仁王門通からスタートして、散歩ルートを辿った。
 仁王門通は交通アクセス至便でいて、町家や寺院が軒を連ね、普段着の京都が感じられる場所。「昔から暮らす人たちによって醸された、街の温かみがいい。ここで店を構えたオーナーさんたちも、雰囲気を大切にしながら店づくりをしているのが伝わってきて」
 この通り沿いで、仕事の後や友人との待ち合わせによく立ち寄るのが、レトロビルの一室にある『メトン』。「スイーツもお酒も楽しめる、懐の深いお店。デザートならシュークリーム、仕事終わりのビールを飲みたいときは甘くないマドレーヌサレの生ハム添えを」
 仁王門通から少し南、住宅街に佇む『ロブコーヒーハウス』は、その秘めやかなロケーションも魅力だと教えてくれた。
「初見だとわかりづらいですが、京都らしい路地からコーヒーを焙煎するいい香りがして、ふらりと誘い込まれますよ」
 そこから北を目指し、桜並木が季節ごとに表情を変えていく冷泉通へ。眼前には琵琶湖疏水。酒向さんの『歩く鳥』もこの通りに。疏水対岸のヴィンテージマンションにはニューオープンの『フォーム 歩く鳥』がある。迎えるのは、酒向さんのパートナーであり、ともに店づくりに取り組んできた八尋鶉さん。
「2つ目の店というより1店舗目の延長のような感覚ですね。二人でつくる『歩く鳥』の世界観を共有しながら、それぞれのパーソナルな雰囲気を反映できたらと思っています」
 両店を行き来する際に小さな橋から目にする、クラシックなレンガ造りの水力発電所とダムも印象的。そんな景観も、ふたつの『歩く鳥』を回遊する楽しみの一部だ。
 川の向こう側、河原町通沿いにもショッピングの楽しみが待っている。アパレルのバイヤーとして長く活躍し、現在も自店で洋服を扱う酒向さんにとって、『ラビット古着店』は感性を刺激される存在。
「色の組み合わせやディテールに遊び心のあるヴィンテージのお洋服を見ているうちに、着こなしを考えたくなります。さりげなく並んでいる小物も、コーディネートのアクセントになりそうなものばかり」
『タマス京都店』は、ずらりと並ぶオリジナルのアクセサリーはもちろん、どこを切り取ってもチャーミングな空間そのものが作品のようだと惚れ込む。さらに河原町通と鴨川の間には、エリアに根差したおすすめの店がひしめく一帯が続く。
「何を選んでもおいしい『ベーカリー ウキ』や遊び心がちりばめられた空間が楽しい『ミーミーミー コーヒーハウス』、厳選された本が知らない世界に連れていってくれるブックショップ『誠光社』。どこも通うほどに好きになって、素通りせずにいられません」
 再び川の東側に戻り、二条通周辺を歩く。カフェのような気軽さで本格的な洋食が味わえる『イノツチ洋食店』でランチの後は、グロサリーストア『マニーナ』で手土産や自分へのご褒美を探す。そして最後に、エリアを代表する老舗酒場へ。
「いつも少しドキドキしながら『赤垣屋』の扉を開けて、入店できるととてもうれしい。職人気質の無駄のない所作や活気が大好き」
 鳥のように自由に右岸と左岸を行き来しながら、酒向さんの鴨川さんぽは続く。

ガイド 酒向歩実 『歩く鳥』オーナー

愛知県出身。滋賀県立大学環境建築デザイン学科卒業後、モノと関わる仕事を志し、京都に移住して雑貨と服飾のセレクトショップ『アンジェ河原町本店』に入店。アパレル部門のバイヤーを経験し、2023年に『歩く鳥』を開業。’25年11月に2 号店『フォーム 歩く鳥』を構える。

酒向歩実
 
Access
 
kamogawa Access Map

鴨川の東側から巡るなら、京阪鴨東線神宮丸太町駅で下車して南下。西側からなら地下鉄東西線京都市役所前駅で下車して北上がおすすめ。御池通や二条通、丸太町通と短い間隔で橋があるので、東西の行き来も気軽に。もちろん川沿いに下りるのも忘れずに。ベンチでひと休みして、飛び石にチャレンジを。

photo : Yoshiki Okamoto edit & text : Aya Honjo illustration:naohiga

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