MUSIC 心地よい音楽を。

土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/小林和人October 12, 2018

October.12 – October.18, 2018

Saturday Morning

Title.
John Forbid(Live)
Artist.
Jennah Bell
秋空にとり残され、いつまでも漂う千切れ雲の様に、悔いともつかぬ気持ちだけが浮かんでいる。
オークランド生まれのシンガーソングライター、ジェナ・ベルによる、物憂げな旋律に力強い歌声が印象的なこの曲を聴くと、遠い記憶とともに仕舞い込まれていた、ある感情が呼び覚まされる。
比喩に満ちた重層的な歌詞から滲むのは、再び現れなかった相手への未練。
誰しも少なからず覚えたことがあるかもしれないこの感覚を、作詞家の松本隆氏は、かつて「なつかしい痛み」と表現した。「後悔」の対義語は、「納得」だろうか、それとも「諦め」だろうか。
朝からそんな事を考えるなんて、という声が聞こえてきそうである。
EP『Live At Mother NY』収録。

Sunday Night

Title.
Mike Vick
Artist.
Killiam Shakespeare
この数年というもの、良くも悪くもインターネットを介して新たな音に出会う機会が増えた。
フィラデルフィアを拠点とする彼らの事も、ジェナ・ベルの近況をYouTubeで探していた時に偶然出会った。この楽曲自体には彼女は参加してないないが、憂いを帯びたフレーズからは、様々な情景を思い起こさせる。今月末には新たな作品も発表されるとの事で、同時代の音楽を享受する楽しみがまた増えた。
明日の事を考えながら、眠りに就こう。
アルバム『Killiam Shakespeare』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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