FOOD 食の楽しみ。
歌手・中納良恵さんが愛する、『シュトラウス』の アップフェルシュトゥルーデル。音楽家が愛するあの店、この味。December 09, 2024
クラシックとウィーン伝統菓子。 青森で感じる中世オーストリア。
螺旋階段を上ると、シャンデリアに赤い絨毯。『シュトラウス』の喫茶室に入ると、中世ヨーロッパにタイムスリップしたような錯覚に陥る。
「青森駅前の商店街にいるってことを忘れてしまうくらい重厚で妖艶な雰囲気で、すごいトリップ感! もちろん音楽はクラシックで、一瞬にして日常から切り離される感じが、たまりません」と中納良恵さん。伝統的なウィーン菓子を出す店ということでザッハトルテと迷ったけれど、青森ということでウィーン版のアップルパイであるアップフェルシュトゥルーデルを注文したところ……。
「アメリカ的な素朴なアップルパイとは違って、ウィーンスタイルは佇まいも味も繊細。パリパリの極薄生地の中に青森県産のふじりんご、レーズン、くるみがなど入ったフィリングがぎっしり。味も食器も店の雰囲気も音楽も、すべてが上品で、体験したことのない喫茶店の魅力を知りました。青森とウィーン、全く違う街なのになぜかフィットする。そこも面白いんですよね(笑)」
『シュトラウス』が薦める一枚Plamena Nikitassova『Carlo Zuccari: Violin Sonatas』
18世紀のミラノを拠点に活躍したカルロ・ズッカーリのバイオリンソナタ集。バロックバイオリンの名手、ブルガリア出身のプラメナ・ニキタソヴァによる豊かな音色はクラシカルで作曲者の生きた時代を思わせる。
Strauss
オーストリア国家公認菓子職人の最高位資格を持つ三浦祐一さんが1987年に創業したウィーン菓子専門の喫茶室。菓子はテイクアウトも可。▷青森県青森市新町1‒13‒21 ☎017‒722‒1661 9:30~18:00(土日祝~17:00) 月休
中納良恵Yoshie Nakano
1996年にEGO‒WRAPPIN’を結成し、ヴォーカルを担当。2024年12月にはワンマンライヴ『Midnight Dejavu』を東京、大阪にて開催。2025年3 月より全国ホールツアー『HALL LOTTA LOVE ~ホールに溢れる愛を~』を予定。
photo : Satoko Imazu illustration : Shapre text : Yuriko Kobayashi edit : Chizuru Atsuta