FOOD 食の楽しみ。

サニーデイ・サービスの曽我部恵一さんが愛する、『ユハ』のあんトースト。音楽家が愛するあの店、この味。December 09, 2024

つぶあんたっぷりの「あんトースト」¥490 (生クリームトッピングは+¥100) と深煎りの「ユハブレンド」¥680。サニーデイ・サービス 曽我部恵一 JUHA ユハ
つぶあんたっぷりの「あんトースト」¥490(生クリームトッピングは+¥100)と深煎りの「ユハブレンド」¥680。

ジャンルも曲名も知らなくていい。 深く、静かな音楽に身を委ねる。

 ジャズを中心に店主の大場俊輔さんがセレクトするレコードがかかる『JUHA』。音楽通に愛される店として知られるが、曽我部恵一さんもまた、その唯一無二の選曲に魅了されているひとりだ。

「いつ行っても必ずいい音楽がかかってる。誰の曲だろうって考える余地がないくらい心地がよくて、ゆったりとコーヒーを楽しむ時間を演出してくれる。それって、すごいことだと思うんです」

 だから、これまで聴いた曲は具体的には覚えていない。記憶に残るのは、深く、静かな音楽だ。

「『JUHA』にいると、’50年代のアメリカとか’70年代のパリとか、その頃の喫茶店ってこんな時間の流れ方をしていたんじゃないかって思うんです。現代とは思えない空気感で、どの年代の音楽がかかっていても、古き良きムードを感じられます」

 コーヒーのお供は、たいてい「あんトースト」。

「しっかりと甘くて、どっしりしてる。その濃厚さがヨーロッパのお菓子みたいで、異国感があるんです。深煎りのコーヒーとの相性も最高です」

『ユハ』店主、大場俊輔さんが薦める一枚Edna Ritchie『Edna Ritchie Of Viper, Kentucky』

Edna Ritchie『Edna Ritchie Of Viper, Kentucky』 サニーデイ・サービス 曽我部恵一 JUHA ユハ

店主の大場さんがすすめる一枚は、伝統的なバラッドを演奏するアメリカの音楽一家に生まれたエドナ・リッチーによる1962年の作品。アパラチア地方の楽器であるダルシマーの音色と清らかな歌声がフォークの根源を教えてくれる。

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SHOP DATA

JUHA

コーヒーは手廻し焙煎機で深煎りした豆を使用。店内は音楽やサブカルに関する本も。店名はアキ・カウリスマキの映画『白い花びら』の原題。▷東京都杉並区西荻南2‒25‒4 ☎050‒3562‒0658 13:00~21:00 土日祝12:00~20:00 月休

JUHA
サニーデイ・サービス 曽我部恵一 JUHA ユハ

曽我部恵一Keiichi Sokabe

サニーデイ・サービスのヴォーカリスト、ギタリスト。2004年、自主レーベル〈ROSE RECORDS〉を設立。以後ソロ活動やプロデュース・楽曲提供・映画音楽・CM音楽・執筆・俳優など、形態にとらわれない表現を続ける。

sokabekeiichi.com

photo : Satoko Imazu illustration : Shapre text : Yuriko Kobayashi edit : Chizuru Atsuta

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