INTERIOR 部屋を整えて、心地よく住まうために。
二間続きの和室をリビングに。古い家の面影を残した和洋折衷スタイル。【築43年の昭和の一軒家、和を残しつつ北欧テイストのDIY改装。】February 13, 2023
2023年1月20日発売の『&Premium』の特集「楽しく部屋を、整える」で紹介した、フリーライターの桒原さやかさんとスウェーデン人の夫、オリバー・ルンドクイストさんが長女の春ちゃん、長男の明ちゃんと住む家。古い家を手に入れ自分たちの手で改装。〝北欧のように〞を叶えるコツを、部屋の空間ごとに聞きました。次は北欧と和のテイストが調和したリビング。
Living Room
畳サイドとフローリングサイドを 作り、古い家の面影を残す。 リビングルームにした二間続きの和室の改装は、「ほかの部屋より落としどころに少し悩んだ」とふたりは言う。家のあちこちを順に改装するうち、「せっかく古い家を購入したのだから、その面影を一掃してしまうことがもったいない」と思い始めたからだそうだ。
そこで辿り着いた結論が、二間のうち一方を畳敷きのままに、もう一方をフローリングにすること。他の部屋なら床柱や長押なども真っ白にペイントするところ、この二間では手を加えないことも決めた。その上で間の襖を外してひと続きにし、広さを確保。冬はマイナス10℃まで下がる松本では欠かせない薪ストーブを床の間に設える、和洋折衷の空間を完成させている。
UNDER CONSTRUCTION
A FAMILY'S DIY RENOVATION
知識より大切なのは楽しむこと。
失敗も心地よさでカバーできる!
桒原さやかさんとオリバー・ルンドクイストさんは築43年の家を自ら改装しながら住んでいる。暮らしの手本は、結婚後に住んだ北極圏に位置する街、ノルウェーのトロムソの人々。
「誰もが、家が心地いいものであることにこだわっていました。とくに極寒の冬は家に籠もりがちになるからのようで、楽しみや暮らしやすさのためにDIYや改装を繰り返します。そうやって家を自分たちにぴったりのカタチに近づけていくんです」とさやかさん。オリバーさんによれば「北欧の人はなんでも自分で決めたい」のだとか。「納得する家づくりのため、面倒なんて平気、完璧かどうかも気にしません」
2017年、日本に帰国して住む先に選んだのは「自然が近く北欧に似ていた」長野県の松本市。借家を経て、昭和の古い一軒家を購入。知識がなくても「YouTubeを見れば何とかなる(実際何とかなった!)」と、暮らしながら改装に取りかかった。古い家を選んだのは、格安だったのと、「大工さんが手がけたしっかりとした造りの昔の家を残したい」という思いから。トライ&エラー多めでようやくいい感じに仕上がってきて、3度目の冬を迎えている。
桒原さやか Sayaka Kuwabara
フリーライター・エッセイスト
オリバー・ルンドクイスト Oliver Lundquist
フリーWEBディベロッパー
〈イケア〉〈北欧、暮らしの道具店〉で働いていたさやかさんとオリバーさんは同僚として出会い、結婚。ノルウェーで暮らした後に帰国し、松本に居を構える。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『家族が笑顔になる 北欧流の暮らし方』(オレンジページ)。
photo : Mai Tanaka illustration : Shinji Abe (karera) edit & text : Koba.A