INTERIOR 部屋を整えて、心地よく住まうために。
肌触りの良さを楽しむ。不動産会社代表・足立 淳さんに聞いた、心地よく過ごすための空間づくり。February 18, 2026
豊かな暮らしを追求する人々を訪ねた&Premium147号(2026年3月号)「部屋を心地よく、整える」より、不動産会社代表・足立 淳さんに聞いた心地よく過ごすための空間づくりを紹介します。

天然素材のカーペットが、日々を快適にする。
東京・成城の築38年のヴィンテージマンションを改装して約3年。家族4人で暮らす足立淳さんの家は、玄関から一歩入っただけで、誰もがその心地よさに驚くという。扉のしつらえなど古いマンションの良さを生かしながら、壁を漆喰にし、床はキッチンとバスルーム以外、部屋のすべてをカーペット敷きにした。その足元の感触が、なんともいえない気持ちよさを伝えているのだ。
「ものにもよりますが、無垢の突板(つきいた)のフローリングを施工するより、カーペットにするほうが費用を抑えやすい。板敷きのように一枚一枚張るのではなく、ロール状なので、比較的手間が少ないんです」
それだけでなく、カーペットの利点は他にもいろいろ。その鍵は素材選びにあるという。
「うちは廊下とリビングダイニング、僕の書斎のカーペットにはウールと麻の混合を、寝室にはウール100%のものを選びました。2人の子どもの部屋はそれぞれにまかせましたが、もっとも大切なのは、自然素材にすること。それさえ守っていれば、大きく失敗することはありません」
不動産会社を営む足立さんが仕事を通じて感じるのは、カーペットに抵抗がある人が一定数いること。例えば、汚れの落ちにくさや日焼けによる色褪せ、家具の跡が残ることなどに不安を覚える人が多いそう。
「でも、これらのイメージは、古い団地で使われていた、ペラペラの化学繊維のカーペットから生まれているんです。コンクリート床に薄いフェルトを張っただけの上に敷いていたので、硬くて足触りも悪い。でも、一度、自然素材に触れてみれば、その印象は払拭されるはず。肌触りの良さがまったく異なります。クッション性はフェルトやカーペットの厚さによって変わってくるので、好みに合わせて選べます。汚れもウールには撥水性があるのですぐに拭けば落ちるし、専用クリーナーを使えば、あとに残りません。うちもお皿ごとカレーをこぼしたことがありますが、よく見ないとわからないほど。3年経ちますが色褪せもなく、基本的に劣化しにくいマテリアルだといわれています。家具の跡も霧吹きをかければ、また毛足が立ってくる。さらに、ダニを気にする方もいますが、普通に掃除機をかけていれば心配いらないかな、と思います。みなさんが考えるより、ずっとメンテナンスフリーな素材なんです」
子どもの友達が遊びに来るとカーペットの上でゴロゴロし始めるほど、リラックス感は抜群。足立さんも季節を問わず、ルームシューズを履くことがなくなった。
「夏は暑いのでは、と思われがちですが、素足でいてもサラサラしています。特にリビングダイニングのカーペットは麻が入っているので、よりシャリ感があるのかもしれません。でも、ウール100%でも調湿性に優れているので、蒸れることはありません。冬はどちらも空気を含んで保温効果を発揮するので、暖かく感じられます」
寝室をウール100%にしたのは、朝、起きたときの最初の一歩がふわりと優しいと、一日を幸せに過ごせるように思えるから。足立さんは、2種類の素材をベースにしたが、各部屋ごとに素材や厚みを変えて、肌触りによって空間を認識するのも楽しそうだ。
「既存のフローリングの上からでもカーペットに変えることはできます。そこまでの改装はできないという場合は、ラグなどで代用する方法もあります。その際もマットやフェルトの上に敷くと、硬さが軽減されると思います。もう一つメリットを言えば、カーペットは圧倒的に遮音性が高いんです。外に響かないというのもありますが、音楽をかけていても音が柔らかく聴こえる。その穏やかな静けさも、日々の暮らしのなかで気持ちが整う大きな要因になっていると思います」
足立 淳Jun Adachi
不動産会社代表。立命館大学を卒業後、リクルートに入社。『SUUMO』の営業リーダーとして多くのリフォーム会社のコンサルティングを行う。2014年に独立し、不動産会社〈サムタイムズ〉を設立。
photo : Takashi Ehara edit & text : Wakako Miyake










































