LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。

躯体がむき出しの4層構造。ふたりで暮らす、自宅兼仕事場の一軒家。March 25, 2026

自分らしい部屋を整えるのに、その“狭さ”はうってつけの条件なのかもしれません。

狭くて、居心地のいい部屋を紹介している&Premium135号(2025年3月号)「部屋と心を、整える」の中から、狭さを上手に賢く利用して、快適に楽しんでいる住まいを紹介します。

躯体の中の4層構造に暮らす。五十嵐理人さんが腰掛けているのは家の最上部の洗面所&バスルームと中2階をつなぐ鉄骨階段。妻の友子さんは、さらに半階分レベルを下げたキッチンに立っている。 | 五十嵐理人さんが腰掛けているのは家の最上部の洗面所&バスルームと中2階をつなぐ鉄骨階段。妻の友子さんは、さらに半階分レベルを下げたキッチンに立っている。
五十嵐理人さんが腰掛けているのは家の最上部の洗面所&バスルームと中2階をつなぐ鉄骨階段。妻の友子さんは、さらに半階分レベルを下げたキッチンに立っている。
躯体の中の4層構造に暮らす。中2階は日光が差し込む夫婦の寝室兼リビング。 | 中2階は日光が差し込む夫婦の寝室兼リビング。
中2階は日光が差し込む夫婦の寝室兼リビング。

 玄関扉から1段下がったスペースに造作のテーブルとパソコン。五十嵐理人さんの設計事務所だ。エントランスとの間に高さ40㎝ほどの柱状の壁が地面に渡され、テーブルで打ち合わせを行う際のベンチを兼ねている。「それ、床の躯体です」と理人さんがいたずらっぽく笑った。なるほど、普通はフロアを浮かすことで隠されてしまうコンクリート躯体がむき出しになり、腰掛け兼間仕切りとして活用されているのだ。その分天井が高くなる。視線を上げるとキッチン、しかも下半分だけが見える。リズミカルで、明快で、なんだかわくわくさせる家である。

躯体の中の4層構造に暮らす。地上からキッチンに続く階段、さらにリビングへと、浮遊感のあるフロアの重なりが見える。壁面の書架の高さは約6m。 | 地上からキッチンに続く階段、さらにリビングへと、浮遊感のあるフロアの重なりが見える。壁面の書架の高さは約6m。
地上からキッチンに続く階段、さらにリビングへと、浮遊感のあるフロアの重なりが見える。壁面の書架の高さは約6m。
躯体の中の4層構造に暮らす。2階、洗面所からバスルームを見る。屋上の窓に面しているため視界は空に抜ける。休日の朝風呂が最高だそう。 | 2階、洗面所からバスルームを見る。屋上の窓に面しているため視界は空に抜ける。休日の朝風呂が最高だそう。
2階、洗面所からバスルームを見る。屋上の窓に面しているため視界は空に抜ける。休日の朝風呂が最高だそう。
躯体の中の4層構造に暮らす。1階は設計事務所。床面も躯体なのでエントランスから1段下りるつくりに。正面上段にキッチンの足元が垣間見える。 | 1階は設計事務所。床面も躯体なのでエントランスから1段下りるつくりに。正面上段にキッチンの足元が垣間見える。
1階は設計事務所。床面も躯体なのでエントランスから1段下りるつくりに。正面上段にキッチンの足元が垣間見える。

 二人で暮らす職住一体の一戸建てのために、13坪の土地を見つけたのは妻の友子さん。「施主は私」とにっこり。設計を任された理人さんは「狭いし制限も多くて、僕は最初は文句ばかり(笑)。でも、それまでも二人暮らしで、ごはんも仕事も同じ場所でやっていたよな、と。一緒に考え直してみたんです」。出した結論は大きなワンルーム。仕事場―キッチン―リビングと寝室―バスルーム、4つの役割を持つフロアをコンクリート躯体の中にレイヤードした。壁はなく、半階のスキップフロアが連なるつくり。空間が遮蔽されず、窮屈なところがない。生活も仕事も同じ場所だけど、少しだけずらして互いの気配がある。睦まじく語り合って暮らす夫婦にぴったり。

「お風呂は初めから最上階と決めていました。一番気持ちのいい場所でゆっくりしたい、って」と友子さん。浮遊感のある浴室で、窓から入る朝日を満喫する。日差しとともに、躯体の壁に映る陰影が変化する様子は理人さんのお気に入り。光が巡り、声が対流する空間に”二人分の心地よさ”が満ちていた。

躯体の中の4層構造に暮らす。夫婦二人暮らし。1階は夫の設計事務所、上階がプライベートの空間。奥行き約2m単位でフロアに段差をつけ、役割を分けている。
夫婦二人暮らし。1階は夫の設計事務所、上階がプライベートの空間。奥行き約2m単位でフロアに段差をつけ、役割を分けている。
躯体の中の4層構造に暮らす。

五十嵐理人、五十嵐友子建築家、会社員

理人さんは清水建設・SUPPOSE DESIGN OFFICEを経て2020年IGArchitectsとして独立。友子さんは建築士として建築設計関係の会社に勤める。

photo : Yuka Uesawa edit&text:Azumi Kubota

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