MUSIC 心地よい音楽を。
今月の選曲家 ceroJuly 07, 2017
July.07 – July.13, 2017
Saturday Morning

昔テレビで「おすぎとピーコ」のおすぎが「雨が降っている休みの日は朝からシャンソンを聴くの。シャンパンを飲みながら」と言っていた。繊細な中学生だった僕が何故かそこに感じ取ったのは胡散臭さやミーハー心ではなくて、マジもんのデカダンスだった。休みの日、朝起きて雨が降っているといつもおすぎの青い憂鬱を思い出す。しかし、その話とは別に関係なく、こないだ雨が降る土曜の朝に聴いたこの曲は本当に素晴らしかった。アルゼンチンのフォルクローレの代表格と、ポスト・タンゴの奇才によるジョイントライヴ盤。ブエノスアイレスにも梅雨ってあるんだろうか。街に降る雨の匂いはどんなだろう。台風は来るのだろうか。暴風雨の中でこんな音楽を聴いたらどんなに素敵だろう。(荒内佑)
アルバム『hermanos』収録。
アルバム『hermanos』収録。
Sunday Night

世の通説でイマイチ理解できないのが「街でイチャつくカップルがウザい」ってやつで、まぁ嫌がる人に無理に好きになれとは言わないけれど、僕は好きです。キスしたりハグしたりってライトなのも、おっ始まるんじゃねぇのコレ、ってディープなのも。そんな週末を一緒に過ごしたカップルが日曜の夜にですね、駅のホームかなんかで名残惜しそうに手指を絡ませたりしてるのを見ると、こう、純粋に、良いわ~と思う。そんで別々の家に帰り、恋人にメールをする前にこの曲を聴いたら良い。その方がずっと愛に燃えるだろう。(荒内佑)
アルバム『There’s No Place Like America Today』収録。
アルバム『There’s No Place Like America Today』収録。
ミュージシャン cero

髙城晶平(Vo、Gu、Flu)、荒内佑(Key)、橋本翼(Gu)。Contemporary Exotica Rock Orchestra 略して「cero」(セロ)として、2010年にデビューを果たす。全員が楽曲を制作するオルタナティブなスタイルと楽曲の嗜好性の幅広さ、ライブ活動が多くのリスナーに支持されている。