INTERIOR 部屋を整えて、心地よく住まうために。

〈ビームス〉杉浦明志さんの和の趣に溢れた住まい。時間とともに味わいを増す、自然の素材に囲まれて。December 05, 2024 /〔PR〕

大分県別府市の伝統的工芸品である、別府竹細工。熟練の職人の確かな手仕事で作られる、製品としての美しさとつくりの良さが魅力です。そんな別府竹細工を暮らしに取り入れて心地よく住まう人たちを訪ねました。ここでは〈ビームス クリエイティブ〉プロデューサー、杉浦明志さんの住まいを紹介します。

我孫子の地松を使った大きなダイニングテーブルが存在感を放つ杉浦さん宅の土間。テーブルに置かれたのは杉浦さんが15年ほど愛用している別府竹細工の盛りかご。
杉浦さん宅の土間スペース。右側が玄関。そこから心地よい光が差し込む。我孫子の地松を使った大きなダイニングテーブルに置かれたのは15年ほど愛用している別府竹細工の盛りかご。

実用的で美しい、暮らしの道具とともに。

〈ビームス クリエイティブ〉でプロデューサーを務める杉浦明志さんが家族と暮らす家は、千葉県我孫子市の閑静な住宅街にある。「木や漆喰を中心にできるだけ自然のマテリアルだけを使って、昔の日本の農家の造りを参考に家づくりをしたかった」という杉浦さんが、地元の工務店と何度も話し合いながら、2009年に建てたものだ。日に灼けた外壁の木材と軒を深く出した外観が印象的な和の趣を感じさせる。

 玄関の格子扉を開けて室内へ一歩踏み入れると、天井が高く開放感のある土間が広がり、奥には台所が見える。「中と外の中間のような場所が欲しくて」と作った土間は、竣工当時は床一面が土だったところにコンクリート施工をし、床材を追加するなど暮らしながら変化を遂げてきた。家づくりをともにした工務店に制作してもらった我孫子の地松を使った大きなダイニングテーブルや、杉浦さんが自ら塗ったという漆喰の壁も、時間とともに味わいを増している。

 家に使われている木材だけを見ても、杉や松、ヒバや欅、桜など様々。そんな自然の素材が美しく調和する空間には、仕事で国内外の民芸品やクラフトに数多く触れてきた杉浦さんの目で選び抜かれた家具や日用品が所狭しと並べられている。大分の小鹿田焼のピッチャーや、沖縄の北窯のやちむん、益子の木漆工芸家・松崎修の皿——。それらに交ざってひと際目を引くのが、ランプシェードや収納かごとして部屋の至る所に使われている竹細工製品の数々だ。

「日本各地で伝統的に作られてきた竹細工は、もともとは農閑期に家でできる手作業として生活用具を作っていたところから始まったもの。その素朴な表情がこの家のような空間によく合うんです」

竣工から15年が経ち、日に灼けた木材がいい味に変化してきた杉浦さんの住まい。
竣工から15年が経ち、日に灼けた木材がいい味に変化してきた杉浦さんの住まい。
現在の住宅では見る機会も少なくなった沓脱石 (くぬぎいし) が印象的な玄関。奥の居間へと繋がる床板には、柔らかな印象の杉を採用した。
現在の住宅では見る機会も少なくなった沓脱石(くぬぎいし)が印象的な玄関。奥の居間へと繋がる床板には、柔らかな印象の杉を採用した。
土間の奥のスペースに設えた飾り棚には、日本各地の民芸品が並ぶ。「特にこの作り手のものを集めている、というわけではなく、有名無名問わず、心に触れたものを手に取るようにしています」
土間の奥のスペースに設えた飾り棚には、日本各地の民芸品が並ぶ。「特にこの作り手のものを集めている、というわけではなく、有名無名問わず、心に触れたものを手に取るようにしています」
台所に立つ杉浦さん。東北で作られた竹細工のランプシェードが部屋に柔らかな光を届ける。
台所に立つ杉浦さん。東北で作られた竹細工のランプシェードが部屋に柔らかな光を届ける。
和の空間に不思議と調和するサファリチェア。杉浦さんの審美眼で選び抜かれたものがバランスよく配置されている。
和の空間に不思議と調和するサファリチェア。杉浦さんの審美眼で選び抜かれたものがバランスよく配置されている。

 杉浦さんが長年愛用しているもののひとつが、別府竹細工の盛りかご。〈フェニカ〉で15年ほど前に手に入れたもので、菓子かごとして使っている。

「ひとことで竹細工といっても地域によって魅力も異なるように思います。竹ひごを職人の手作業で編み上げる編組(へんそ)という技法で作られる別府竹細工。編組の種類もたくさんあって、その組み合わせによって出来上がる竹細工の表情も多彩。佇まいに品があって、使っていくうちに飴色に変化していくのもいいですね」

 別府市と長年にわたって地域に根ざした活動を続けてきた〈ビームス〉では、2024年、杉浦さんも関わる形で別府竹細工をより身近に感じられる取り組みとして、ふるさと納税返礼品をプロデュースしている。

「別府竹細工でこれまでにない違うものを作りたいという思いと同時に、職人の方々に普段やっていない仕事をさせたくないという思いもありました。自宅で使っている竹細工が作り出す光の美しさに着目してランプシェードを提案しましたが、皆さんの個性を生かした自由な発想で新たな別府竹細工の魅力を感じられるものになったと思います」

 職人の確かな手作業によるつくりの良さと、しなやかな美しさを備えた竹細工。自然の素材に囲まれた杉浦さんの住まいによく馴染み、心地よい暮らしを生み出している。

杉浦さんが15年愛用する別府竹細工の盛りかご。しなやかな竹の美しさに艶が増して、さらに魅力的な表情に育っている。
杉浦さんが15年愛用する別府竹細工の盛りかご。しなやかな竹の美しさに艶が増して、さらに魅力的な表情に育っている。
ふるさと納税返礼品としてプロデュースしたランプシェード。左が、工房兼ショップ『cotake』のさとうみきこさん作の「芍薬」。右は、松田浩樹さん作の「BEPPU HANABI」。
ふるさと納税返礼品としてプロデュースしたランプシェード。左が、工房兼ショップ『cotake』のさとうみきこさん作の「芍薬」。右は、松田浩樹さん作の「BEPPU HANABI」。
今回のランプシェードは、アウトドアシーンでも人気の、〈ゴールゼロ〉の「LIGHTHOUSE MICRO 」 シリーズの LEDランタンに合う形で制作。美しい光を生み出す。
今回のランプシェードは、アウトドアシーンでも人気の、〈ゴールゼロ〉の「LIGHTHOUSE MICRO 」 シリーズの LEDランタンに合う形で制作。美しい光を生み出す。
玄関には沖縄のわらび細工が。奥には杉浦さんがライフワークとする映画いている水墨画の作品が置かれている。
玄関には沖縄のわらび細工が。奥には杉浦さんがライフワークとする映画いている水墨画の作品が置かれている。
軽くて通気性も良く、丈夫な竹細工は、使い方も様々。土間に置いてちょっとした荷物入れとして使っている。
軽くて通気性も良く、丈夫な竹細工は、使い方も様々。土間に置いてちょっとした荷物入れとして使っている。
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杉浦明志 Akishi Sugiura〈ビームス クリエイティブ〉プロデュース部プロデューサー

外部案件の商品ディレクターとして様々なコラボレーション商品を手がけるほか、11月30日に新たにオープンした『ビームス ライフ 横浜』で展開する食物販の仕入れなども行う。


別府竹細工の魅力に迫る本サイト内の小特集「THINGS FOR BETTER LIFE」は、以下のリンクからご覧ください。

photo : Kazuho Maruo

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