Interior

新素材で深みのある質感、新たな価値を生む、樹脂製の器。Eating Experience with ARASMarch 19, 2024 / 〔PR〕

プラスチックの器にも陶磁器やガラスと同様に工芸的な価値がある。
それを実践したのが、石川県発信のブランド〈ARAS(エイラス)〉だ。
その価値について、デザインを担当したseccaに話を聞いた。
深皿スクープ[26cm]¥3,300、[21cm]¥2,750
深皿スクープ[26cm]¥3,300、[21cm]¥2,750
〈ARAS〉を開発しているseccaのメンバーの一人、柳井友一さんの食卓。子ども2人と夫妻の4人家族では、毎日のように〈ARAS〉が活躍。料理が映えるとともに、陶磁器やガラスの器との相性も抜群。
〈ARAS〉を開発しているseccaのメンバーの一人、柳井友一さんの食卓。子ども2人と夫妻の4人家族では、毎日のように〈ARAS〉が活躍。料理が映えるとともに、陶磁器やガラスの器との相性も抜群。

ARAS ー SCOOP

すくいやすさを計算した曲線が特徴的な器。ガラスとトライタン(樹脂)を掛け合わせた新素材によるもので深みのある質感を実現。割れない、欠けないことに加え、食事を邪魔する音が立たない。軽いので取り扱いも楽。食洗機にも対応する。ホワイトの他、スモークグレーなど7色展開。

3Dプリンターによる〈ARAS〉のモデル。これで入念にチェック。
3Dプリンターによる〈ARAS〉のモデル。これで入念にチェック。
陶芸工房。seccaでは〈ARAS〉の他に料理人向けのオリジナルの器を自社で開発・製作して、レストランの食体験をつくり出している。
陶芸工房。seccaでは〈ARAS〉の他に料理人向けのオリジナルの器を自社で開発・製作して、レストランの食体験をつくり出している。

Brand: ARAS  Designer: secca

seccaは食と工芸の街・金沢で、伝統から最新のテクノロジーまで、古今東西の技能を用いて、新しいものづくりをするクリエイター集団。形だけでなく、体験を通じて心を動かすクリエイティブを創出する。

樹脂という最先端素材を使って、工芸を作り出す。

 石川・金沢を拠点とするクリエイティブ集団secca(セッカ)がデザインを担当し、石川樹脂工業から、2020年に誕生した樹脂製の食器ブランド〈ARAS(エイラス)〉。
 ものが大量に、異常に早いサイクルで消費されることに疑問を持ち、食体験をデザインすることを始め、ものづくりを通して本質的な価値創出を目指してきたseccaが、あえてプラスチックを扱う意味。そこには、樹脂だからこそできる、次世代のものづくりと、食を美しく彩ることを両立させる工夫や技術が盛り込まれている。
「実は僕自身、最初はプラスチックに対して偏見がありました」と言うのは、seccaの代表である上町達也さん。「でも、知れば知るほど、樹脂は化学の最先端に位置している素材というのがわかってきました。しかも、低カロリーで作られ、環境ホルモンが出ないので安全性も担保されている。使い終わっても100%リサイクル可能で、1000回落としても割れないので、長く使うことができる。環境への負荷が少ない、サステナブルな素材なんです。この素材の特性を生かせば、陶磁器やガラスと並ぶ、新しい選択肢となる可能性を感じました」
 とはいえ軽すぎたり、質感が無機質になってしまうのが課題でもあった。そこで目指したのが”工芸的プラスチック”という考え方。
「焼き物と同様に、素材が現象によって自然とつくり出す表情を抑制せずに取り込むことで、一つ一つ表情が異なる有機的なプラスチック製品を目指し、当初より石川樹脂さんと繰り返し議論と試作を繰り返してきました」
 例えば、杉の皮を粉砕し樹脂で固め、一つずつ異なる景色をつくり出した杉皮シリーズ。また、seccaの代表的意匠を〈ARAS〉に取り込んだ「深皿スクープ」は、もとは焼き物として作っていたもの。和洋中のジャンルにかかわらず料理を美しく盛り付けられ、カレーなど液状の料理も器を傾けることなく最後まできれいな所作ですくえる。機能性と美しさが共存する有機的なフォルムは、食器棚に置いてさえもオブジェのような美しさを放つ。
 他にも飲み口を極限まで薄くしたマグカップなども、樹脂だからこそできた形だ。
「縁を薄くすると飲み心地はよくなるのですが、陶磁器ではチップしやすくなるし、金属だと口を切ってしまう。樹脂の性能を最大限に生かした食体験を実現しています」
 さらには、海水由来のミネラルを主成分とした素材NAGORI™を採用した、電子レンジにも対応する海水シリーズなど、一般にイメージする樹脂とは異なる、新たな価値を創出。
〈ARAS〉は肩の力を抜いて日常をともにできる食器である。けれどそこには機能性だけではない、美しく豊かな食体験を未来に繋げる新たなものづくりの可能性が含まれている。

食体験のデザインを重視するseccaが、あえて縁を欠けさせ、チップを楽しむ提案をした陶磁器の皿「朽」。
食体験のデザインを重視するseccaが、あえて縁を欠けさせ、チップを楽しむ提案をした陶磁器の皿「朽」。
大皿ウェーブ。カップが置けるフラット部分とソースが皿全体に流れないウェーブ部分がワンプレートに。
大皿ウェーブ。カップが置けるフラット部分とソースが皿全体に流れないウェーブ部分がワンプレートに。
CADでデータを作成。オペレーターではなくデザイナー自らが線を引くのは珍しい。
CADでデータを作成。オペレーターではなくデザイナー自らが線を引くのは珍しい。

●問合せ/ARAS(エイラス)https://aras-jp.com

photo : Masanori Kaneshita edit & text : Wakako Miyake

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