BOOK 本と言葉。
クリエイティブディレクター・南雲浩二郎さんの本のある風景。「住む人を映す、本棚」01。April 04, 2026
本棚や本の積まれた場所は、持ち主の思考を映し出しています。暮らしへの眼差しや、生き方。どんな本を通過し、何を手元に残しながら、その人の佇まいは紡がれるのでしょうか。クリエイティブディレクター・南雲浩二郎さんの暮らし、日々を過ごす空間を訪ね、本のある風景を追いかけました。&Premium特別編集「暮らしと生き方の、読書案内」(2024年4月発売号)より、webでも紹介します。

時の経過を映し出す書棚に滲むオリジナリティと色気。

ダイニングとして使う和室のテーブル奥に配した本棚。民芸、ミッドセンチュリーモダンのデザイン書、現代美術や工芸の作品集がぎっしり詰まり、棚上にも積み上がった先には、様々な国や時代の匂いを放つものがちりばめられている。背景の異なるモノを、どう配し調和させるか、そうしたバランスのあり方を楽しむ、南雲浩二郎さんの脳と心を垣間見るようだ。
「これは本物のハリネズミの針を使ったパプアニューギニアの首飾り」「これはカルロ・モリーノという家具や建築のデザイナーが撮ったヌード」。モノも本も、一つひとつすべて、南雲さんの知る背景や物語、あるいは個人的なエピソードがある。リチャード・アヴェドンの名著『OBSERVATIONS』をデザインしたブロドヴィッチの話。ピカソの彫刻作品だけをブラッサイが撮影した書。お金のなかった20代に「息を止めて」オリジナルプリントを購入したという写真家カート・マーカスの作品集も、大事そうに見せてくれた。
南雲さん自身が目を配り、足を使って、少しずつ集めてきた長い時間が、書棚には表れている。モノと出合い、背景を知る。自分自身の指針を積み重ねていく。そうしてつくられてきた南雲さんのオリジナリティは、蔵書からも強烈に発せられて、話は尽きることがない。
南雲浩二郎 KOJIRO NAGUMOクリエイティブディレクター
1984年、〈ビームス〉に入社。家具部門やVMDの統括を経て、120店舗以上の内装・ディレクションを手がけた。その審美眼をまとめ、蒐集における自身の視点を表した著書『OBJECTS balance of differences』(世界文化社)がある。
photo : Kazumasa Harada edit & text : Yuko Mori































