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Book 103 / February 09, 2018 『本日のスープ』大久保ゆう子 著(求龍堂) 選・文/Books and Modern

スープは小さな黒ネコ。迎え入れてくれた家には大きな黒ネコ、パンがいた。大人になっても小柄なスープと威風堂々のパンの毎日は、微笑ましくもパンチの効いた掛け合いの連続だ。「オペラスープ」「箱入りスープ」「夢まんじゅう」……飼い主のキャプションも冴えわたっている。意味を知りたい方はぜひページを繰ってみて。楽しさに胸をかきむしられること必至。そして、この2匹の黒毛玉の様子を際立たせているのが住まいのセンスの良さ! 白を基調としたシンプルかつ温かみのある部屋、磨かれた大きな窓の向こうに広がる霞んだ景色……。部屋はこうありたい、というか、この部屋のネコになりたくなる一冊。


Book 102 / February 02, 2018 『芸術家の家 作品の生まれる場所』ジェラール=ジョルジュ・ルメール 著 ジャン=クロード・アミエル 写真 矢野陽子 訳(西村書店) 選・文/Books and Modern

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19−20世紀を代表する芸術家、ミュシャ、ウィリアム・モリス、モネ、キリコ、マグリットなど14名の住まいを紹介している。インテリアは、各々アール・ヌーヴォー、ゴシック・リバイバル、モダニズムと、彼らが自ら提唱した様式にしつらえられ、総じて物──家具、装飾、本、食器、日用品がごっちゃり多いところが人間らしくて微笑ましい。ただ、そこにはなぜか優雅さと風格が。同じように物に囲まれた現代生活とは大違い。多分その理由は木、ガラス、スチール、陶、皮革……。すべて物の素材が「本物」だから。優雅なページを眺めて思う。私たちの生活から「本物」以外を整理したら? ──


Book 101 / January 26, 2018 『暮らしをデザインする』宮脇 檀 著(丸善) 選・文/Books and Modern

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公共建築から戸建て住宅まで幅広く腕を振るった建築家、宮脇檀(1936−1998)。人物をひと言で表すのは難しいが、あえて言うなら「生活の中の見苦しい物を見過ごせなかった建築家」だろうか。本書は、建築関連書のみならず日本人離れした(と言わざるを得ないところが残念)紳士的なセンスで多くの洒脱な随筆を残した宮脇の’80年代末のコラム集。各篇の題材は時代なりに過去のものだが、語りの本質は決して古びていない……どころか、IT万能の現在こそ、宮脇の言う「上質」「洗練」「快適」の意味をあらためて噛みしめたい。直に美しい風景や重厚な歴史に触れ、学ぶことの大切さを思い出させてくれる。


Book 100 / January 19, 2018 『ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア』デボラ・ソロモン 著 林寿美・太田恭人・近藤学 訳(白水社) 選・文/Books and Modern

アメリカを代表する現代アーティストのひとりジョゼフ・コーネルの評伝。それまで評価が曖昧だった「コラージュ」を真性の芸術にしたブレイクスルーな作家の生涯を丁寧に紹介している。本、雑誌、写真、映画フィルム、イラスト、アクセサリー等々、作品素材となるあらゆる物を収集し、自らの手で唯一無二の美へと変身させたコーネル。美の求道者としての膨大な素材コレクションと、恋愛、結婚、美食、旅行など普通の人生を彩る事物を遠ざけた極端に簡潔なプライベートライフ──そのバランスのあわいに生まれた作品に宿る静けさに触れると、清廉な生活というものについて考えさせられる。


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モダンデザイン、アート関連書とそれらをより深く味わうための人文、文芸書──思想、哲学、歴史、旅行、音楽、料理、ファッション、小説、随筆、日記文学など1000冊ほど取り扱っている。ギャラリースペースでは毎月さまざまなテーマで展覧会を開催。本やアートによる空間プロデュースも行っている。
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