ベターライフが見つかる店。

坂本龍一さんが残した本をきっかけに、新たな出合いを届ける。『坂本図書』と〈YAECA〉による図書空間『坂本ヤエカ』がスタート。January 16, 2026

坂本龍一さんが残した本をきっかけに、新たな出合いを届ける。『坂本図書』と〈YAECA〉による図書空間『坂本ヤエカ』がスタート。
閑静な住宅街の中にひっそりと佇む一軒家『YAECA HOME STORE』の一階部分が『坂本ヤエカ』のスペース。天井まで届く大きな本棚には、坂本龍一さんが所蔵していた本と同タイトルの古書が並ぶ。


『アンド プレミアム』が創刊以来大切にしてきた「ベターライフ=より良き日々」。その世界観を叶えるショップを巡る連載。第4回目は、2025年12月に〈YAECA〉の旗艦店である東京・白金高輪『YAECA HOME STORE』内にオープンした、図書空間『坂本ヤエカ』を訪ね、ベターライフを叶えてくれる3つのポイントを見つけました。

01 坂本龍一さんが収集していた本に出合う。

「いつか古書店の店主になるのが夢だった」と語っていたほど、無類の本好きであった音楽家・坂本龍一さん。自身の所有していた本を未来に残すために始まった図書構想『坂本図書』は、2023年に完全予約制、住所非公開の小さな図書空間を都内某所に構えた。

そして、多くの人との共有を目指していた坂本さんの遺志を引き継ぎ、2025年12月に新たな取り組みとして、〈YAECA〉の旗艦店である東京・白金高輪『YAECA HOME STORE』内に『坂本ヤエカ』をオープン。店内の本棚には、坂本さんが読んでいた本と同じタイトルの古書が並び、自由に閲覧、購入することができる。小説やエッセイ、詩集、絵本など、多彩なジャンルの本の中で、〈YAECA〉の企画運営を担当する服部恭子さんに、印象に残った一冊を紹介してもらった。

「ミヒャエル・エンデの『モモ』は、読んでみたいと思いながら手にしたことはなかった1冊でした。作中には時間への概念を変える印象的な言葉がたくさん出てきます。普段、時間は使うものと捉えがちですが、生きていることそのものなんだと思うと、いろんなことが違って見えてくる気がしました。

あっという間に時間が過ぎていたり、一瞬が長く脳裏に焼き付いたり、私たちは経験上、時間が伸び縮みすることを知っていますが、改めてそのことを思い出させてくれました。我が家は今、子育て中で、まだ時間の概念がない子供と過ごしていると、今を生きることが全て、とシンプルに感じられ、時間の捉え方が変わってきているように思います。

坂本さんが読んでいたという前提があることは、本選びの素晴らしいガイドになってくれていて、自分の意思で探すのに加えて坂本さんにおすすめしてもらいながら選ぶような楽しみがあります。いつもなら通り過ぎてしまう本に興味を持てたり、改めて読みたかった本を手に取るタイミングをもらえています」

坂本龍一さんが残した本をきっかけに、新たな出合いを届ける。『坂本図書』と〈YAECA〉による図書空間『坂本ヤエカ』がスタート。 | 庭には、坂本さんが3歳の頃から使っていたピアノが置かれている。坂本さんがニューヨークの自宅の庭で行っていたという、ピアノを自然に還す実験と同様の取り組みだ。
庭には、坂本さんが3歳の頃から使っていたピアノが置かれている。坂本さんがニューヨークの自宅の庭で行っていたという、ピアノを自然に還す実験と同様の取り組みだ。
坂本龍一さんが残した本をきっかけに、新たな出合いを届ける。『坂本図書』と〈YAECA〉による図書空間『坂本ヤエカ』がスタート。 | 『坂本図書』の書籍やオリジナルグッズも販売。写真は、坂本さんがいつもポケットに入れていたノートとペンに、「坂本図書」の文字をあしらった。
『坂本図書』の書籍やオリジナルグッズも販売。写真は、坂本さんがいつもポケットに入れていたノートとペンに、「坂本図書」の文字をあしらった。
坂本龍一さんが残した本をきっかけに、新たな出合いを届ける。『坂本図書』と〈YAECA〉による図書空間『坂本ヤエカ』がスタート。 | グラフィックデザイナー・長嶋りかこさんが『坂本図書』のために作成したカレンダー。坂本さんが好んでいた満月をモチーフに、月の満ち欠けが記されている。
グラフィックデザイナー・長嶋りかこさんが『坂本図書』のために作成したカレンダー。坂本さんが好んでいた満月をモチーフに、月の満ち欠けが記されている。

02 音にまつわる工芸品や現代美術作品も購入できる。

店内には、〈YAECA〉がキュレーションする音にまつわるアイテムも並ぶ。坂本さんがいつも手元に音のなるものを置いていたことから、金工作家・鎌田奈穂による銀製の風鈴や、ビンテージの鈴などがあり、実際に手にとって音色を聴くことも。また、服部さんも作品を所有しているアーティスト・赤松音呂の作品「Chozumaki」は、ガラス瓶の中に水の渦巻きが発生し、ラッパ型の口から心地よいせせらぎの音が流れる。

坂本龍一さんが残した本をきっかけに、新たな出合いを届ける。『坂本図書』と〈YAECA〉による図書空間『坂本ヤエカ』がスタート。
アーティスト・赤松音呂の作品「Chozumaki」。ガラス瓶の口の形状は、一点ごとに形が異なる。

03 喫茶室では『サヴール洋菓子店』のケーキなどを味わえる。

1月17日(土)からは喫茶室も併設。『サブール』のケーキや福岡・久留米の焙煎所『COFFEE COUNTY』の珈琲豆を使ったコーヒーなど、図書を利用しない人もゆっくりと過ごせる場所に。

閑静な住宅街にひっそりと佇む一軒家の中に広がる、”知の共有”のために開かれた空間。好奇心のままに豊かな読書時間を過ごしたい。

坂本龍一さんが残した本をきっかけに、新たな出合いを届ける。『坂本図書』と〈YAECA〉による図書空間『坂本ヤエカ』がスタート。
『サブール洋菓子店』のガトー・ア・ラ・クレームとコーヒーのセット。ケーキの種類は、時季によって選べる予定。

『坂本ヤエカ』でベターライフが見つかる3つの理由。

1.坂本龍一さんが収集していた本に出合う。

2.音にまつわる工芸品や現代美術作品も購入できる。

3.喫茶室では『サヴール洋菓子店』のケーキなどを味わえる。

Shop Information坂本ヤエカ

住所:東京都港区白金4-7-10『YAECA HOME STORE』内
TEL:03-6277-1371
営業時間:11:00〜19:00
定休日:火曜日※祝日を除く
※2026年1月26日(月)〜30日(金)はお休み

photo : Shinji Harada

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