私が使い続ける愛しいものと、その理由。
陶芸家・鈴木 茜さんが愛用する、〈江戸箒老舗 白木屋傳兵衛〉の箒とちりとり。October 10, 2024
職人技ならではの如才ない使い心地。
アトリエで作陶を始めた4年前、ろくろの下に溜まる土埃を掃けるものを探していたところ、街中で気になる箒の店を発見。職人による手作りで個体差があるので、実際にいくつか手に取り、しっくりくるものを購入しました。使用してみると、よくしなり、コシがあるので、細かな砂を気持ちよく掃き出せたんです。あまりに使い勝手がいいので、ひと回り小さいサイズをキッチン用に買い足し、テーブルの上に落ちた粉などの掃除に使っています。使わないときは壁に掛けていますが、温かみのある天然素材なので自宅の古い家具とも調和。一緒に使っている柿渋が塗られた紙製のちりとり「はりみ」は静電気が起きにくく、箒で掃いたゴミをさっと落とせるところがお気に入り。手で作られているものには愛着が湧くし、使い続け育てる楽しみもあるんです。
鈴木 茜 Akane Suzuki陶芸家
陶芸家・野口寛斉に師事後、2024年に独立。なめらかなフォルムと深い瑠璃色のコントラストが目を引く器を制作している。
illustration : Megumi Sasaki text : Shoko Matsumoto