私が使い続ける愛しいものと、その理由。
映画監督・呉 美保さんが大切にする、安定感のある〈めぐる〉の三つ組椀。October 08, 2024
揃いのお椀は家族団らんの中心に。
幼い子ども用のお椀を探していた頃、参加した味噌造りのワークショップを通じて福島・会津で作られているこの器を知りました。「水平」というモデルを手に取ってみると、安定感のある佇まいで、持ちやすさにびっくり。マトリョーシカが好きなので、飯椀、汁椀、菜盛り椀の3つが入れ子状態になるところにもぐっときました。6年ほど使用していますが、子どもの小さな手にも収まりやすく、落としたこともありません。雑に扱っているので傷はあるけれどまだまだ艶やか。漆を塗り重ねることで生まれる深い黒色は存在感があり、何を盛っても食材をおいしそうに引き立ててくれます。下の子どもが生まれたことをきっかけに、次は赤色を買おうと計画中。6個になった器は様々な用途に使えそうだし、子どもが巣立った後は夫婦ふたりのお揃いで使うのも楽しみです。
呉 美保 Mipo O映画監督
スクリプターとして、映画制作をスタート。2006年に監督デビュー。9年ぶりの長編作品『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が公開中。
illustration : Megumi Sasaki text : Shoko Matsumoto