私が使い続ける愛しいものと、その理由。

フードディレクター・平野紗季子さんが愛用するのは、母から譲り受けた〈カルティエ〉の腕時計。October 05, 2024

フードディレクター・平野紗希子さんが愛用する、〈カルティエ〉の腕時計。

時を纏うことで感じる、何げない日々の喜び。

もともと母が愛用していた〈カルティエ〉の「マストタンク」。アンディ・ウォーホルをはじめとした多くの著名なアーティストが愛した時計と知り、憧れを抱くようになった4年ほど前に譲り受けました。ローマ数字が縦に並んだ文字盤と、ブルーの石「スピネル」があしらわれたリューズがお気に入り。シンプルな装いが多いので、どんな服にも合う黒いレザーのバンドに替えて、毎日着けています。スマホで時間を確認できる今の時代、必ずしも腕時計が必要なわけではないけれど、あえて身に着けることで、時の尊さや愛おしさを実感できているような気がします。その理由は、もしかしたら手巻きだからかもしれません。基本的に、時計やジュエリーは好きなものを長く使うタイプ。だからこの先もずっと、この時計と共に”時”を刻んでいきたいです。

平野紗季子 Sakiko Hiranoフードディレクター

食を中心とした文筆活動や事業などを行う。10年ぶりのエッセイ集『ショートケーキは背中から』(新潮社)が発売に。

illustration : Megumi Sasaki text : Shoko Matsumoto

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