骨董王子・郷古隆洋の日用品案内
舩木道忠の六角鉢選・文/郷古隆洋No. 144 / December 05, 2017
少し前にピッチャーを紹介した島根の陶芸家、船木道忠による六角鉢です。押紋というスタンプのような手法で施された紋様は、三角やギザギザ、そしてハートなど、1900年代半ばの時代に作られたものとは思えない装飾が魅力です。中国陶器のような釉薬の色も、それらの紋様により、また新しいものと感じられます。「不便な時代だからこそいいものが生まれた」という言葉は、今年僕が聞いた話の中で一番心の残ったものです。きっと舩木さんも、そういった気持ちで物を作っていたのでしょうね。
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