〈LOISIR〉デザイナー・前田敬子による、保護猫・えいたと暮らす日常。
フランス語=ねこ語説。【〈LOISIR〉デザイナー・前田敬子による、保護猫・えいたと暮らす日常。 vol.75】May 03, 2025
妹ねこのにんにんは、なかなかのシャイガールだ。来客があると一瞬で姿を消し、客人が帰るまで引きこもるのが基本スタイル。
でも、なぜかフランス人の友人が来ると、しれっとリビングに降りてくる。しかも、ちょっと澄ました顔で、「あら、ボンジュール」とでも言いたげに近づいてくるから不思議だ。そういえば、筋金入りの人見知りだった、姉ねこのしおんもそうだった。友人たちのほとんどが「本当にいるの?」と疑うほどだったのに、フランス人の友人が来たときだけは、階段の隙間からひょっこり顔を出して挨拶していたのだ。
これはもう、フランス語がねこ語に近い説を唱えてみたくなる。独特の柔らかいリズムと、「R」の喉を鳴らすような発音が、ねこには「にゃ~ん、ゴロゴロゴロ」に聞こえているのかもしれない。今度、フランス語の音声を流して実験してみようかな。でも、えいたは元から社交スキルが高すぎるので、被験ねこにならないか。
えいた えいた

ファッションブランド〈LOISIR〉デザイナー・前田敬子さんと暮らすえいた。ハンサムな名前の由来は永代橋(えいたいばし)の近くでコールタールまみれになって遊んでいるところを保護されたことから。空気は読めないと、ボランティアの方からもお墨付き。すでに壮年猫なのに相変わらずやんちゃで食いしん坊。趣味で段ボールアートを作ったり、上腕二頭筋を鍛えてみたり……。以前本誌で連載していた『まこという名の不思議顔のねこ』に登場していたまこは姉猫。兄猫しろたろとまことの暮らしを経て、現在は妹猫にんにんと同居中。本誌2022年5月号にて、わたなべとしふみさんによるえいたの紹介イラストを掲載しています。